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2016 感情を失ったバイト地獄のはなし

香取さとり30歳までのカウントダウン
第24夜 2016

アルバイト、それは何にも縛られることなく人生を好きに生きるための金稼ぎ手段にすぎない。システムの一部となり、決められた時間に決められた作業をして決められた給料をもらう、それがエリートアルバイターだ。

しかし、世の中にはその理を履き違え、大した給料も貰えないのに自分をすり減らしてしまう哀れな者が必ずいる。そう、バイトリーダーだ。

どんなことがあってもバイトリーダーだけはなるな。この世で一番いらないのはバイトリーダーなんだ。責任の所在をあいまいにするなよ?システムとしてバイトリーダーを組み込むなら穴のないマニュアルもセットで用意しろ。その上で全ての責任は正社員が背負いなさい。それがボーナスをもらっている人の責務です。

という境地に至るくらいには深刻にバイト生活がきつかったです。朝から晩まで働いてくたくたなのに失敗はきっちり責められて、創作意欲が減退してもなんとか曲を作らなきゃいけなくて、スタジオとライブハウスにお金払ったら毎月給料日までギリギリ、なのに周りの結婚ラッシュで金欠が加速して、そんな中で私は1万5千円くらい入れていた財布を歌舞伎町の松屋におき忘れて、バイト先の更衣室で泣きながら、ああもう何やってもダメだと思いました。

2016年の12月、肉体的にも精神的にも限界を迎えた私は、自分が幸せに生きるための手段を本気で考えて、でも何も浮かんでこなくて、布団の中で手を組んで宇宙にSOSを送ったんですよ。まじめに。

私はどうしたらいいのでしょうか、とシンプルに投げかけたら、どうせ仕事で本気出すなら好きなことの方がいいじゃないかと。好きなことってなんだ?人に売れるほどのスキルがあるか?と考えた時に自分には文章書くことしかないなとふと思ったんですよね。

でも、どうやったらライターとして食っていけるかなんてわからないじゃないですか。だから、まずは何でもいいから実績を作ろうとして、未経験でもライターとして雇ってくれる会社を探してみたんです。それでいろんな会社で面接やらトライアルやらをして、個人のブログしか書いたことない私を拾ってくれたのが今いる会社です。文章書いてお金もらえるなんてそんなうまい話はないと思っていましたが、それは悪い思い込みでした。

なりたいものって本気で手を伸ばしたら案外すぐなれるんですよ。それでいうと、私がまだシンガーソングライターとして売れっ子になれてないのは、本気で手を伸ばす方向を決めきれてないからなんだと思います。

今日はこの年作った曲のリンクを貼って終わりにしますね。10分で作ったわりにはええ曲です。

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