札幌ドーム18年最終戦

2018冬のエースストライカー玉突き移籍【杉本健勇/都倉賢/鈴木武蔵の2018シーズン比較してみました】

 こんばんは、katouです。
 12月はじめにシーズンを終え、各チーム来シーズンにむけて補強や契約延長を進めております。連日のニュースや噂程度の情報に、私も一喜一憂する次第です。
 そんな中、それぞれチームを支えた3人のエース級ストライカーが玉突きで移籍してしまう、各チームサポーターとしては少々受け入れがたい事態が生じております。今回はこの、”ストライカー玉突き移籍”の御三方について、いろいろ考察していきたいと思います。

はじまりは2017シーズン22ゴール 桜のエース電撃移籍の一報から

 (今のところ……)3選手4チームを巻き込んだ今回の一連の玉突き移籍、初期報道のあったタイミング順にまずは整理しておきます。

①セレッソ大阪から浦和レッズへ杉本健勇が移籍濃厚(公式発表済み)
②セレッソ大阪が北海道コンサドーレ札幌都倉賢にオファー/獲得濃厚(公式発表済み)
③北海道コンサドーレ札幌、V・ファーレン長崎FW鈴木武蔵獲得へ(公式未発表)

身長はほぼ変わらず。体格に恵まれた3人のエースストライカー

 各選手、元所属チームではワントップ、あるいはシャドー、セカンドトップの位置を任されることが多く、180㎝台後半の上背も生かしたプレイができることも特徴です。
 年齢的には都倉選手が次シーズン33歳ということで、中堅~ベテランの域に入るタイミングと言えます。
 2019シーズン、V・ファーレン長崎はJ2リーグで、そのほか3チームはJ1リーグでの戦いとなり、そして浦和レッズがACL出場権を手にしています。

先発試合数に差はあれど、1シーズンを通し主力選手として出場。

 出場試合数はほぼ同じで、全34試合のうちほとんどの試合で出場しています。先発試合数とフル出場の多い杉本選手が出場時間も頭一つ抜けている印象です。

都倉・杉本が決めたら負けない”準・不敗神話“

 エースストライカーはやはりチームに勝利をもたらしてこそ。そうした意味では、都倉選手、杉本選手はJ1昇格後の”得点時勝率“はすさまじいものでした。2017-2018の2シーズンにおいて、両選手がゴールを記録した試合はほとんど負けていません(ともに2シーズンで1敗のみです)
 セレッソ大阪は、杉本選手がゴールした試合で黒星が付いたのは、2017シーズン19節ガンバ大阪戦のみ。北海道コンサドーレ札幌も、都倉選手がゴールした試合で負けたのは、2018シーズン16節川崎フロンターレ戦のみでした(リーグ戦のみ集計)。J1昇格後の2年合計ではもちろん2選手ともにチームのトップスコアラーです。

杉本選手の2018シーズンは不本意な結果に。しかし前年22ゴールのポテンシャルは無視できない

 都倉選手、鈴木選手は2018シーズンそれぞれJ1キャリア初の2桁ゴールを記録。それぞれのチーム内でもトップスコアラーとしてチームを牽引しました。
 杉本選手はアシストこそ3選手内最多ですが、得点は5とチーム内でも丸橋選手、高木選手(ともに6ゴール)に次ぐ3位となりました。シュート成功率はキャリアハイとなる22ゴールを記録した2017シーズン(シュート成功率15.9%)のわずか1/3となる5.3%。チャンスで決めきれない、非常に苦しいシーズンとなりました。

勝負強さの都倉賢と、電光石火の鈴木武蔵

 まず特筆すべきは、都倉選手の異常とも思える得点タイミングです。12ゴールすべてが後半に決められたものであり、得点時間を平均すると後半32分5ゴールはなんと後半ロスタイムに決めています。劇的なまでの土壇場の勝負強さは、2018シーズンのチームの躍進を支えた大きな一因でした。
 鈴木選手は試合が動く前、0-0スコアでのゴールが5つと早い時間帯での先制点奪取が多くなっています(チームとして先制点が取れた試合は15試合)。高さだけでなく、コンパクトな試合展開の中でそのスピードを生かした裏への飛び出しは相手にとって脅威となりました。
 杉本選手は、他2選手と比べて。足元の技術やゴールまでのバリエーションに優れており、いろんな条件下でのゴールが期待できる選手です。器用な選手も多く多彩な攻撃バリエーションを誇る浦和レッズでどのようなピースとなるのか、脅威となるのはもちろん非常に楽しみです。

チームを牽引し続けた”赤黒の熱い男”は、反面敵も多く

 もらったイエローカードの枚数は都倉選手が最多。FWながら6枚のカードを集め、1試合の出場停止ペナルティを課されました。結構、相手DFと駆け引きもしますし、何よりずば抜けたキープ強度を支える腕の使い方が大胆で、これが一つ間違えるとほとんどファウルになります。闘志あふれる一方、結構もったいない要らぬファウルも重ねます。ときに相手を挑発もしますし、いろいろ物申している様子が受け取れます。味方には心強く、相手のヘイトをとことん集めることのできる選手です。
 ガンバ大阪、サガン鳥栖あたりとは2018シーズンも遺恨の残る試合をしたので、2019シーズンは所属が変わってどう受け入れられるのか、こちらも楽しみです。

三者三様の個性を生かせば、環境を変えたことでのキャリアハイも夢じゃない


 都倉選手はスペースがない中でも腕を巧みに使い相手を抑えこみ、ゴールシチュエーションを生み出すストロングポイント。
 鈴木選手は上背に加えスピードという個性があるため、カウンターはもちろんニアサイドへのクロス反応も◎。
 杉本選手は一瞬のクイックネスと駆け引きで優位ポジションをとることに長け、足元の技術も高く相手DFへの守備選択肢を増やすことのできるFWです。
 所属チームも変わり、要求されるものやチームメイト・戦術も変わります。これが移籍先でどのようなシナジーを生み、選手とチームをそれぞれ成長させていくのか、2019シーズンの注目ポイントのひとつとなりそうです。

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