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玄関開けたら、初対面のオージー。
昼食後、うとうとしていたら、玄関チャイムが、ピンポーン。
宅配と思って、ハンコ持って玄関開けたら、そこには、iPadを片手に持ったCRAIGと名乗る初対面の男性が立っていました。
なんと、30年前にフィジーで知り合ったオーストラリアの夫妻の息子さんが、はるばる訪ねて来てくれたのでした。
⭐⭐⭐
30年前。
当時勤めていた会社の、30代独身男性3人組でスキューバダイビングをするために、フィジーを訪れた時の事。
こう書くと格好良さげですが、当時、独身男性3人で海外旅行、何かとやらしい疑いの目で見られる時代でしたので、
「ちょっと、フィジーで、潜ってきます!」
魚に詳しいとかいうわけでもなく、ダイビングの前夜は酒が飲めなくなるというのもあって、最初のうちに1日2ダイブだけこなして、あとはのんびり、プールサイドのバーでトロピカルドリンクなどを楽しみ、あわよくば素敵な女性達と知り合って、そのまま恋に落ちる…
そんな計画を立てていました。
ダイビングに限らず、オプショナルツアーなどの料金は、日本から予約するより現地へ行ってから探す方が遥かに安いので、フィジーでもホテルの中にあるトラベルデスクで、手配をすることに致しました。
ホテルの前の海岸が「鬼の洗濯岩」のようで、ホテル滞在中はプールでしか泳げなかったので、ダイビングの翌日に、マナ島という、砂浜があってマリンスポーツやシュノーケルで遊べるリゾートアイランドへの日帰りクルーズツアーも、ついでに申し込んでおきました。
さて、そのマナ島クルーズ日帰りツアーの日の朝、ホテルへ迎えに来たのは、なんとタクシー1台だけ、そのタクシーに乗り込んだのは、ボクたち3人組とオージーの夫婦1組でした。
前の補助席にその夫婦、後部座席に私たち3人組が詰め込まれ、ドアを閉めても車内灯が消えないオンボロタクシー、いやな予感がしたのでした。
タクシーが海辺の空き地に到着すると、目の前に「矢切の渡し」にエンジンを付けただけ!のようなポンポン船が1艘泊まっています。
確か、案内のパンフには片道2時間の豪華客船クルーズと書いてあったはず、パンフの船の写真と全然違います。
こんな船で2時間?…広告に騙された?
と後悔する間もなく、とりあえず、
「帰りはちゃんとあなたが迎えにくるのか!」
とタクシーの運転手を問い詰めると、
「私は来ない。帰りはバスが出迎える」と。
タクシーの運転手が知っているのはそこまで。
その空地には建物らしいモノもなく、ほんとに帰りは大丈夫なのか不安になってきました。
『船に乗って、マリンスポーツとか遊べる島に行くよ』しか伝えていない連れの二人はノンキなものでしたが、よほどボクが険しい顔をしていたらしく、見かねたオージー夫妻の旦那さんブライアンさんが、
「大丈夫。私たちも一緒だから、ついてきなさい」
と、言葉をかけてくれたのでした。
そのポンポン船は、まさしく「渡し船」で、数分で大きなクルーズ客船へと乗り込むことができ、ボクは胸をなでおろしました。
そのクルーズ船には、日本人がたくさん乗っていました。
日本の旅行会社の合同新入社員研修の団体と乗り合わせてしまい、彼らは船の上で、彼ら同志、やたらと名刺交換していました。
ブライアンさんが、その光景を不思議そうに見てましたが、説明するのが面倒なので、ボクもわからないふりをしました。
船内は、色んな国の乗客がいるエリアと、その研修団体中心の日本エリアに分かれてしまっていて、ボクらは、日本エリアへは行きませんでした。
結局、その日はその夫妻とその島で食事をし、マリンスポーツのできる研修の子たちのいそうな浜へは行かず、人けない別の浜で、小学生の子のように男3人シュノーケルで遊んで過ごしたのでした。
その後の滞在もその夫妻と同じホテルでしたので、お互いに、オージーマザー、ジャパニーズサンズと、家族で旅行に来ているようでした。
当初の、素敵な女性と…計画は成りませんでしたが。
いつか必ずオーストラリアへ行きますと、その夫妻もいつか日本に旅したときには会いましょうと…
そんな約束をしていましたが、いまだ、再会できていません。
ボクに子供ができた時は、ぬいぐるみを送ってきてくれました。
クリスマスには毎年カレンダーを送ってきてくれます。
また会える日まで、お二人とも元気でいて欲しいと願っていました。
⭐⭐⭐
久しぶりの拙い英語を駆使して、彼が日本へ来ている経緯を尋ねてみると、日本には約3ヶ月滞在予定、名古屋で英語教師をしている女性の息子が、彼の娘のボーイフレンドで、白馬へスノーボードしに来ていて、彼も、大阪に来る前は、娘と一緒に白馬で滞在していたと。
大阪では、一人で動物園前辺りのホテルで滞在、彼はミュージシャンBaddery Eeadin Jo
(オーストラリアのギタリスト)
大阪のクラブへ行ったりしているらしい(出演してるかは?でした)です。
で、今日は、最寄り駅からバスで約30分の道のりを徒歩で訪ねて来てくれたとのこと。
ほんで、なかなか分からなかったのが、「マッサージが教えてくれた」
と。
CRAIGさんが最後に、マッサージに挨拶しに行くと言い出して、ようやく、ご近所のまさしさんが、iPad持ってウロウロしているCRAIGさんに親切に声をかけ、ボクの家まで案内してくれたと判明(まさしさんは海外で居られた頃にマッサージと呼ばれていた)しました。
彼が運んで来てくれた残念なニュースは、昨年、彼の父、ブライアンおじさんが亡くなられた事。
その事を告げに、わざわざ立ち寄ってくれたようです。
CRAIGさんには感謝しかありません。
そして、再会は叶わなかったけど、ブライアンおじさん、ありがとうございました。
そしてそして、彼の母、ヘレンおばさんに、30年前、ボクたちに見せてくれたステキな笑顔が戻りますように。
SMILE AGAIN.
↓後日談です。