虎(タイガーバーム)の威を借りる私
年々、よくわからないけど身体が傷むということが多くなっている気がする。
もちろん明らかに原因がわかるものがほとんどだけど、ごくまれに「何故だかここが痛いけど、まったく身に覚えがない」ということがある。
子ども時代の、暴れすぎてもういつどこにぶつけたんだかわからない的なアザや打ち身とは違う。
暴れるどころか、何をしたってわけでもないのに、地味~に痛む。
まったく動けないってわけじゃないけど、明らかにダメージを受けている感じ。
それが筋肉なのか神経系なのか、はたまた内臓系なのかもわからない。なんか、痛い。
何事も早期発見が肝心とは思いつつも、この「ちょっとなんか変」くらいの症状で毎回病院にお世話になるのはさすがにキリがない。
今のところ、明らかに「まずい」と思った時と、原因がわからないまま数日続いた時、もしくは悪化した時は迷わず病院に行こうというおおざっぱな基準で運営している。
とはいえ、様子見の時期もまあまあにしんどい。
そこでここ数年、ぼんやりとした体の痛みに愛用しているのがタイガーバームである。
私が子どもの頃、おばあちゃんの棚に置いてあった古の塗り薬。
洗面所にあった3段の棚は、私と母と祖母の3人が1段ずつ使うようになっていて、自分のスキンケアや化粧品類、クシなんかを置いていた。
おばあちゃんの棚には、他にも大島椿油やマダムジュジュ、オロナイン、ドルックスなど、今も目にするロングセラー商品が並んでいたなあ。
ちなみに、私も腹痛には正露丸か赤玉を与えられて育っている。
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というわけで、長い間、私にとってタイガーバームは「おばあちゃんの薬」であったわけだが、20代後半の時の台湾旅行でお土産を見ていたら、タイガーバームを発見し、懐かしくなって複数個購入した。
なぜ購入に至ったかというと、日本では見たことがなかった赤いタイガーバームというのがあり、それをきっかけに調べてみるとタイガーバーム、なかなか万能なのだ。
ちなみに赤と白で効能も変わってくる。
その頃には仕事でヘルニアになり、たびたび腰を痛めていた時で、病院に行ったりモーラステープを貼ったり、順調に体を酷使していたことも大きかった。
ちなみにタイガーバームは2015年から日本では販売中止になっていたらしく、2020年くらいから再販と中止を繰り返しながら、今では白は国内販売されているらしい。
ずっとあるもんだと思っていたよ。いろいろあったのね。
タイガーバームはシンガポール発祥なので、近隣のアジア諸国だとわりと普通のドラッグストアで赤も白も売られている。台湾の他に、タイやマレーシアにもあった。
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さて、そこからというもの、私にとってタイガーバームは常備薬。
他の製品にも言えることだけど、こういうものに即効性や確実性を期待してはいけない。
ただ、歩きすぎて足が疲れた時や、ちょっと体が痛む時にすりこむように塗るとラクになることは多い。
ラクになるならプラシーボ効果でも構わないというのが持論である。
私は季節の変わり目などに、気温差か湿度差かわからないけど、喉が痛くなったり眠れないほど咳がひどくなることがあるのだけど、そんな時は、胸元にタイガーバームを塗ると不思議とラクになって眠れるようになる。
子どもの頃は、ヴィックスベポラップを塗ってもらっていたけど、まさにあんな感じ。
ちなみに赤タイガーは、温熱効果があるので、個人的には寒い時期などに、足裏をこれでマッサージするように塗るととてもポカポカしてくる。
長時間のデスクワークなどでかたまった肩や首にも心地いい。
”病院に行くほどじゃないけどちょっとしんどい”という、微妙な時間をラクにしてくれるお守りアイテムとして手放せない。
世界でロングセラーな虎の威をこれからもガンガン借りさせていただこうと思います。
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