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#6 台南の王道美食ストリート・永楽市場で

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台南といえば、必ずと言っていいほど名前があがる永楽市場。
市場という名前ながら、市場というよりもそこを包括する一帯が美味しい食材やお店の集まる場として地元民に親しまれており、おそらくほとんどの観光客が訪れる大きなストリートだ。

私はここで食べたいものが3つあった。ええ、3つよ?1つなわけないじゃない。

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…それにしても暑い。11時前、日傘をさしても、暑さで全身を包みこまれているみたい。

でも、そんな暑さの中、まず私が食べたかったのは、アツアツの汁物なのだ。

というわけで、狙うは牛肉湯。
生の牛肉に、アツアツの出汁スープをかけて熱を通してそのまま食べるというダイナミックな料理と解説だ。

基本的に、国内外問わず生肉はやや警戒すべきなんだけど、台南は牛肉の産地が近くにあり毎日新鮮な食材を仕入れられることと、スープがおそらく想像以上にアツアツで、かけるだけで十分加熱できているであろうということから、私の中でGOサインが出た。

というか、日本では年々食べられなくなっているけれど、本来はリスク承知でも生肉が大好きなのだ。
ここで、サッと火を通した新鮮な牛肉を食べないわけにはいかない。(謎の使命感)

一応、行ったところも載せておくね。

ローカルでは、牛肉湯とライスをセットで食べるのがデフォっぽいけれど、私はこの後にも食べる予定があるので、小サイズを1つのみ。

店内は超満員。ここに限らず台湾では相席はよくある。

お昼前だけどめちゃくちゃ混んでいて、おかあさんが1人でテキパキと切り盛りされている。
見るからに忙しそうなのに、ニコニコと丁寧に対応してくれた。

卓上の調味料で自由に味変も可能!

さて、まずはスープを1口……

!!!!!

ちょっとね、衝撃。めちゃくちゃうまい。うんまい。んますぎる。
見た目はあっさりで、実際に塩気はそこまで強くはないんだけど、旨味が濃い!強い!

そして、牛肉も言わずもがな美味しい。

たぶんお肉に味付けはしていないだろうけど、牛に牛のうまいスープかけて牛が最大のパフォーマンスをしているというか…

赤身のジューシーさと肉肉しい旨味が、ほんのりの塩気で強調されて、1つの味にまとまっている感じ。

運ばれてきてすぐはまだピンク感がある。

そして、お肉も割と厚めなのに想像以上にしっかり火が通っている。
スープどんだけ熱いんだよ。

食べ始めてすぐと、スープに浸けておいたのでは、お肉への熱の入り方が変わるので、いつも好きな食べ物は最後にとっておく派の人も、こればっかりは1口でいいから真っ先に牛肉を口に入れてほしい。

スープだけでも、お肉だけでも、一緒に食べてもそれぞれ美味しい。

さらに、添えられた針ショウガとタレが美味しさを拡張してくれる。
笑顔。これは、笑顔で食べられる料理です。

それにしても小籠包といい牛肉湯といい、他の料理や副菜などでも、台湾では針ショウガをよく使っている印象ね。
香りはあるけど辛みはそこまで強くなくて、脂っこさや甘みがある料理とは特に相性がいい。

この時点で、牛肉湯は台南料理ランキング上位入賞が決定し、他のお店でも食べてみようと決意。
見た目のシンプルさでは想像できない美味しさの食べ物だった。

正直、”ほぼ味ないスープ”のつもりで食べたという期待値の低さもあったのだけど、まあやはり名物になるだけはあるよ。いい意味の裏切り。

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そこから、とりあえず腹ごなしに通りをブラブラとお散歩し、2つ目のお店へ。

噂ではいつもすごい行列ということだったけど、その時は2.3組くらいだけで、わりとすぐ席に座ることができた。ラッキー!

パッと見でわかりやすい看板とかが無い店も多い。

ここで食べたかったのは、田ウナギ。
ウナギに似た蛇のような見た目で、名前もそのまんまでありながら、分類的にはウナギの親戚でもないという、ようわからん魚。

これも台南名物としてよく名前があがるので、食べてみたかった。
しかも、感想がかなりピンキリ。
美味しいという人もいれば、微妙、食べなくていいという人もいる。
まー、気になるじゃないの。ね?

いろいろメニューはあったけど、私は田ウナギの乾意麺(意麺炒め的な)を。
意麵もまた台湾的で、一度揚げた麺を炒めたり煮たりするという、インスタントラーメン開発の大きなヒントになったとも言われている麺らしい。

なんかようわからんけど美味しそう!!

田ウナギごろんごろんだな。

というわけで、まずは田ウナギを食べてみる。
身はかなり弾力があってパッツパツ!プリプリじゃなくてパツンパツン。おもしろー!なにこれ!
嚙み切れるほどの小骨感があるけど、不快ではない。ニシン感もあるかなあ。

調理法によるかもしれないけど、臭みがなくて、味にもクセはなくて私は素直に”美味しい”と感じた。

そして意麺は、揚げてあるからか表面に少しざらつきがあって、だからこそタレがしっかり絡んでとてもおいしかった。
この麺がかなり特徴的で、他に例えようがないのだけれど、とても好き。

でも、なんといってもこの料理、味付けが抜群に良かった!
見た目は濃くてしょっぱそうなんだけど、食べると酸味と甘みがきいていて、でもソース感もあって、違うんだけど、違うんだけど、雰囲気で言えばアジの南蛮漬け?黒酢酢豚?のようなイメージか。

甘酸っぱさのあるしっかり味は、暑い夏も心地よい。元気になれそうな味。

「なにこれうんま!何味?何味?!何味なの?わからん!うまーっ!」って感じで、お箸が止まらなかった。
これはもし機会があればまた食べたい。

あと、1切れしかないのに主張が強いイカも、すごく美味しかった。

ただし、メニュー写真にも周りの人の同じ料理にもイカは入って無かった。
……お、おまけ?

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さて、いよいよお昼を過ぎて暑さが厳しい。厳しいってゆうか、つらい。しんどい。

最後に訪れたのは、豆花のお店。

ここは主張がすごい。目印になるもの多すぎる店。

実は、過去に何度か豆花は食べたことがあったんだけど、たいていのものが美味しい台湾でいまいちピンと来ない食べ物だった。

でも、台南について調べているとこのお店がやたらと出てきたので、思い切って行ってみることに。

豆花は本当は煮豆やタピオカやお団子などいろんなトッピングをカスタムして楽しむものなのだけど、お腹がいっぱいだったので、ド直球に、冷たい豆花のみを。

見た目は杏仁豆腐。今まで見た豆花の中で一番ツルツル感強い。

そして、これが私の豆花のイメージを逆転させた。

ものすっごい美味しいじゃないの!
やわらかく冷えた豆花に、冷たくて甘いシロップが、口でほろけて喉に流れていく心地よさ。

豆腐のような豆の味もしっかりするけれど、決して豆腐ではなく、スイーツとして成立している。

実は、豆花がいまいちだった理由のひとつに、豆腐感が強いことがあった。それはそれで美味しいんだけど、だったら最初から豆腐でいいんだよな~という。

でも、これはちゃんと豆花である意味を感じられたというか。
豆腐感はあるけど、しっかり豆花としての地位を確立している感。

まあ最終的には好みだけどね。シロップやトッピングとの相性もあるだろうし。

1人、美味しさに目を丸くしながら丁寧に、でも冷たいうちにぺろりと食べてしまった。

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永楽市場おそるべし。立ち寄ったお店すべてが美味しいなんて。
もし台南に来て、グルメを堪能したいけれど時間に余裕がないという人は、永楽市場を訪れるのが手っ取り早い気がする。

さて今回は、完全にグルメリポート。

でも、いいよね。だって最高に美味しくて楽しかったから。





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