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鶴岡・旧風間家住宅 丙申堂
前回の記事
肘折温泉を後に向かったのは、山形県鶴岡市の中心地にある、旧風間家住宅 丙申堂(へいしんどう)。
風間家は江戸の頃に荘内藩の御用商人としてやってきて、呉服屋を営みながら、後に鶴岡一の豪商となり代々産業の振興に大きく力を注いできたそう。
丙申堂は、今から約130年前の明治29年(1896年)に、7代目によって店舗兼住宅として建築されたもの。
御倉邸に続き、古い建物が大好きな私。行きたいってことだけ決めて、あまり調べずに訪れた。
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この日も、とにかく天気に恵まれ、外は暑いくらいだったけれど、主に木と石で作られた建物に入ると、ひんやりとして、方々に開け放たれた窓から窓へ時たまふわーっと風が通って、なんともいえない贅沢感があった。
平日だったこともあり、館内はほぼ貸し切り状態。
スタッフの方が案内してくれるというので、ぜひにとお願いすると、簡単な紹介ビデオを見せてくれて、その後に建物内を一部屋一部屋テキパキと丁寧に案内してくれた。
この建物の最大の見どころと言える石置屋根。
実は、先に書いた通り、ほとんど調べないで言ったもので紹介してもらうまで知らなかった。
丁寧に敷き詰めた杉皮の上に、さらに石を隙間なく敷き詰めた屋根の造り。
ここでは、なんと約4万個もの石が置かれているのらしい!えええ。
この石置屋根。かつて庄内地域でよく見られた様式らしいのだけど、管理・維持が大変なこともあって時代と共に廃れていき、今もこの規模で残っているのは酒田市の旧鐙屋をいれて2か所だけなのだそう。
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かつては屋敷に常駐していた大工さんがこまめに手入れしていたらしいけれど、今では20年に一度、大規模の葺き替え工事が行われているそう。
ちなみに次回は確か来年と言っていた。たぶん。(おい)
つまり、今回は葺き替えから20年近く経ち、苔むした味のある状態が見られたことになる。
茅葺屋根もかっこいいけど、石置屋根もめちゃくちゃかっこよかった!!!見られてよかった。嬉しい。
普段管理してくれているスタッフの方々はもちろん、令和になっても葺き替えをしてくれる職人さんたちにも感謝である。
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風間家は明治時代になると貸金業を始め、時代の流れと共に風間銀行としての銀行業に発展。丙申堂はこのあたりに建てられた。
やがて、他の銀行と合併し、今もある荘内銀行の前身の1つになったというから、本当にものすごいお家だったんだなと。
その名残で、建物内に大きな蔵があり、その中にさらに大きくて立派な金庫が4つほど。
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4つのうちの3つは日本製、1つがベルギー製。なんで1つベルギー製なんだ…?
なんと、触ってみていいですよとのことだったので、開けられていた扉に触れてみると、なんという重厚感!
ちょっと触れたくらいでは扉はビクともしない。動かそうと思わなくてもわかる重さ。
案内の方が、「あやかってお金持ちになれるといいですね」と。
こういう可愛いユーモア大好き。あやかりたい。
ひと通り案内していただいた後は、「どこでもご自由にのんびり見ていってくださいね」とのことで、再びほぼ一巡りする。
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どこを眺めても見応えがあって、居心地もよくて、現代でも大切に管理されていることから、建物自体が「代々続く名家の建物である」と言っているような、建物の誇りというか胸を張っている感じが伝わってきて、「よかったねえ、よかったねえ。わかるよ、あんた立派だよ。愛されているねえ。」と声をかけたくなった。
ちなみに、ここから北側に歩いてすぐの場所にある別邸である数寄屋風建築の釈迦堂は、現在も親族?末裔?の方がお住まいとのことだけど、建物の一部とお庭、茶室が公開されている。
こちらは見て回るというよりも、庭園を眺めたり、一息つかせてもらうのにいい場所。
想像以上に見応えがあって、たっぷり時間を過ごしてしまったけど、行って良かったなあ。
それから、もし時間に余裕があって、もしよかったらいかがですかと言われたらスタッフさんに案内お願いしたほうがいいよ!
おかげさまで数倍堪能できたので!ぜひ!