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クマとの暮らし方

秋田のスーパーに立てこもったクマが捕獲され、殺処分されると知った。

案の定、殺処分に反対する電話などがきているらしい。
うん、まあね。気持ちはわかるけど。

クマ県民としては、殺処分1択だなと思ってしまいます。

こちら、年に何度か住宅地や街中にクマが現れましたというニュースを聞く。
学校なんかでは連絡網(今では主にLINEかな)が流れることもあるし、小学生のランドセルには熊鈴がついているものもある。

田舎特有の連絡網というべきか、市街地にクマが現れるとたとえ仕事中だろうとどこからか巡りめぐって噂話のように何も知らない私のとこまで届く。

それくらい、クマの話はシェアすべき案件であり日常的なことでもある。

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かつて、山間の畑でトラクター作業をしていたらクマの親子に遭遇した。

その時はキャビンといって厚いガラスの壁に囲まれた100馬力近い大きなトラクターに乗っていたから、どうにかなるとは思いつつも、目があった親熊とガラス越しにじっと見つめ合う時間はやはり怖いものだった。

私は機械に乗っていたからいいものの、草刈りのように体1つで作業していたらさすがに死ぬか生きるかだったと思う。

もちろんそのケースでは私の方がクマの棲みかに近づいているようなもんだから、駆除しろなんて思わないし「いや、そちらさんもびっくりですよね」と同情する気持ちすらある。

確実に安全な遠目でなら、2回ほど見たことがある。
子ども熊たちがじゃれあってた時なんて、んもう本当に絵本の世界みたいで、思わず「元気にすくすく育てよ!」と思ったほど可愛かった。
※どんなに可愛くても絶対近づいちゃダメ!必ず親熊がいます。

棲み分けられている分には、なんの問題もないし、むしろまだ熊が棲める山があってよかったなとすら思う。

それでも、年に何度も熊遭遇情報が出て、そのうち数回は街中にも現れているから、うっかり迷い込んでしまうというのはあるんだと思う。

秋田のケースもそうだけど「なんで森からこんなに離れたところに?どこをどうやって途中で見つかることなくたどり着けたの?」と思うような場所に現れたりするのだ。

それでも幸い人への被害もなく、ゴミも含め人間の食べ物を食べてないことが明らかであれば、捕獲されて森に返されるケースもある。

ただ、被害が出たり、人間の食べ物の味を覚えたものは申し訳ないけど人間の勝手な都合だけど自然には返せない。

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過去に、職場の米の倉庫にクマが窓から侵入して、お米を遊ぶように食い荒らし、機械を壊していったことがある。

この時は完全に事後だったけれど、あちこちにスタンプのように押されていた足跡が大きくて、ひたすら遭遇しなくてよかったとだけ思った。

その後すぐに電気柵などで対策したけど、何度か再訪した形跡があった。
それくらいクマは1度覚えたら何度もやってくる。

スーパーを、敵のいない餌場とインプットするだけじゃない。
人が食べる肉の味を覚えてしまったら、肉を購入した買い物帰りのお客さんや、肉を乗せた車を襲う可能性がある。

もしそれが、自分の子どもや家族だったら。

クマが身近な存在じゃないとなかなかイメージがないかもしれないけど、クマに殴られただけで顔面がぐっちゃぐちゃになったことや、頭を加えたままブンブン振り回され千切られたという話もある。

爪も太くてするどいし、力も強い。あと、立つとめちゃくちゃデカい。
正直無防備な人間じゃかなわない。

「クマさん可哀想!」と言いたくなるのはわかるし、殺処分賛成の身としても可哀想だとか申し訳ないという気持ちはあるのだ。

それでも、人間のわがままを通させてほしい。
自分勝手なのは百も承知なのだ。

少なくとも、クマとの暮らし方はクマがいる土地の人たちに決めさせてほしいとは切に願う。


今日の献立

  • カレー(豚、じゃが芋、玉ねぎ、人参)

  • 紫白菜のマリネ

  • 〆さば(市販)

  • りんご

カレーは辛いルーを使ったけれど、熟しすぎてしまった柿を1つ入れてみたら、なんとなくまろやかな雰囲気に。柿の味はしない。

紫白菜は酸が加わると、より鮮やかな紫になって美しい。
カニカマをほぐして足して彩りを足す。

食後のりんごが美味しい季節。

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