減薬と身のまわりの環境
私は適応障害、抑うつ状態などの診断が出て、
処方された薬(ベンゾジアゼピン)を減らす過程で
激しい離脱症状が出て、動けなくなって
遠方の母に生活の手助けをしてもらいながら
なんとか踏んばって仕事してたけど、
会社から、もうお前のその状態はムリや、実家に帰って休めと言われて
10年働いた会社を辞めて、
現在実家で療養しているアラフォーです。
イエイ。
さて、アラフォー無職の私と前期高齢者の両親との関係なんだけど。
実際どうなのかといえば、まあ、めっちゃ普通。
もともと2人とも放任主義で、干渉してくることがない。
何もせず家にいて、ごろごろして、ご飯食べるだけの私に
文句ひとつ言ってこない。
母は看護師だったからか、もともとの性格からか、
ドーンと構えている。
しんどくて動けないなら寝とくしかないわ!って思ってそう。
だから、私が減薬を進めるときは
明日から薬が減るから体調悪くなるかもしれん... と
自己申告する必要がある。
母は「そう、わかった」と、それだけ。
大丈夫?と過剰に心配しないし、逆に煙たがることもない。
父は無職の私に、
働いてないことについて、私の体の状態について、
何も言わない。
むしろ私の方から、過去こういう精神科医に会った、
日本でのベンゾの現状はこうだよと説明すれば
「実際、そうなんだよなあ。ひどい話だよ」と、話が早い。
もしかしたら私より
精神医学の実態を理解しているかもしれないと錯覚する。
父は医療について
疑問を持っている面もある。
それから それから。
同居している妹は、私が体調が悪くて
もしかしたら変な病気になったのかな… なんてソワソワしていると
「そんな気にせんでええやろ」とサラっと言う。
これが私にとっては良い薬というか、
気にし過ぎのグルグル思考が出ていることに気づかされて、
正気に戻ることができる。
私に身体表現性障害という診断が出たことを、改めて認識する。
家族には心理的にも、かなり助けられている。
私を攻めてくることもないし、
かといって無関心というわけでもない。
お互い、ほどよい距離感で、それぞれの日常を送っている。
そういえば。
私がまだ東京でバリバリ働いていたころ、
地方で一人暮らしをしていた弟(当時、研修医)が
精神的に参ってしまったことがあった。
ある日、弟が働いている病院から実家に
「弟さんが来ないんですけど」という電話が入ったらしい。
両親は遠方の県に車を走らせ、
アパートの部屋に引きこもっていた弟を連れ帰り、
丸1年休ませた。
心療内科を受診させることもなく、
ただ家にいさせて、ご飯を食べさせた。
弟に干渉することもせず、いたって普通に過ごしていた。
弟は用事があるときだけ部屋から出てきた。
一言もしゃべらずにご飯を食べにリビングへ来て、
一言もしゃべらずに部屋に戻って行くという、
そんな期間があった。
弟はその後元気になり、
今は毎日バリバリ、病院で患者さんに向き合っている。
両親にはそういう経験があったからか、
長女が仕事辞めるかも…とメールしたときも
「さっさと帰ってきなさい」とサッパリしたものだった。
過保護に世話を焼いてくることもない。
本当に、本当に、毎日普通にしている。
「そのうち何とかなるやろ」が信条なのかもしれない。
医療関係に縁がある家系というのと、
昔は病院には行かなかったけど
今ならメンタルクリニックに通ってそうだよねって人が
親族間に過去何人かいたらしく
(最近知った。3等親以上になると、その辺の話は親も言わなきゃ私からも聞かないから)
まぁ、いろいろ見てきているからか、
長い人生、生きてりゃそういうこともあるよねって
2人とも思っているのかもしれない。
多分、生きているだけで、良いんだと思う。
私の周りの この環境が、
ベンゾ減薬の一助になっていることは間違いない。
ここは安心と思える身の寄せどころを確保できれば、
ストレスが1つ減ることになる。
安定する。
身辺が不安定な状況なら、それだけで体調が悪くなるし、
離脱症状が出るし、
さらには悪化するかもしれない。
病は気から、と言うのも一理あると思う。
これから減薬を始めるってときには、
まずは、できることならストレスのある環境から逃げて、
安心できる巣穴のような居場所を
できる範囲で整えるに越したことはないんだろうね。
私の場合は、それが実家だった。
ひとによっては自助会とか、カウンセラーかもしれない。
落ちついて過ごせる場所を見つけられたら、
巣立つそのときまで存分に甘えて、
旅立つときに感謝したい。
そして私が、
いつか誰かの居場所になって、恩返しできたらいいなと思う。