ALSという病気について

ALS=筋萎縮性側索硬化症とは、なんらかの原因で運動神経細胞(運動ニューロン)が障害され、手が動かしにくい、しゃべりにくい、食べ物を飲みにくい、といった症状が現れる病気です。
厚生労働省が「特定疾患」に認定する難病のひとつです。

原因はまだ十分解明されていませんが、神経の老化との関連や興奮性アミノ酸の代謝異常、酸化ストレス、タンパク質の分解障害、あるいはミトコンドリアの機能異常と諸説あります。

日本ではALS患者数は約1万人で多くの患者さんが50~70歳代で発症し、男性の方がやや多いです。遺伝での発症は5%と考えられており、ALSは遺伝による発症ではないと考えられています。


初期症状は4つに分かれます。

球麻痺型:飲み込みが悪くなる、言葉が話しにくくなるなど
上肢型:着替えがスムーズにできない、字が書きにくい、箸が持てないなど
下肢型:歩きにくい、階段が昇りにくい、スリッパが脱げやすい、こむら返りなど
呼吸筋麻痺型:手足の筋力低下よりも呼吸困難が先に現れる

短時間で急速に進行する患者さんもいれば、10数年にわたってゆっくり進行する患者さんもいて個人差がありますが、一度発症すると症状が軽くなることはありません。

進行していく病気で、全身の筋力低下から歩行がむずかしくなったり、声が出しにくくなったり、食べ物の飲み込みが困難になったり、呼吸がしにくくなったりします。

運動障害にはリハビリが必要だし、声が出せなくなること(構音障害)にはコミュニケーション手段が必要だし、嚥下障害にはやわらかく水分が多い食事対応したり、呼吸障害には在宅酸素を使ったりします。

身体機能の変化に合わせ、環境を整備して日常生活動作やコミュニケーションを維持しましょう。

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