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やめられないとまらない、夢中な話

2025年もどうぞよろしくお願いします。昨年末にかけて、まるオフィスの能登復興支援事業に対するご寄付や協賛を募り、結果たくさんの方から応援をいただきました。本当にありがとうございます(現在も一部キャンペーン継続中です)。能登にとっては復興元年にあたる2025年も活動を進めていきます。

探究の正体

少し2024年を振り返ります。4月20日、浅草にて。先輩のかっくんが不服そうに言います。「探究々々って、もはや国が推してるような言葉をお前が使うな」確かにここ数年口を開けば「探究学習」という言葉を使って自身の事業を説明してたけど、最近なんか違和感がある。ゴマかせちゃっている、というか。

5月18日、気仙沼のオクトーバーフェストで顔を赤くした仙台のやまちゃんに遭遇。「探究の正体が書いてある本を見つけた。次会う合宿までに読んでくるように」その言葉にそそられて早速その本を注文します。

その正体とは「衝動」でした。「自分でもコントロールしきれないくらいの情熱、過剰なパッション」で「『え?なんでそんなことを、そんな熱量で?』と、周囲や自分自身が疑問に思うくらい非合理な動機であり、“要領のいい”行動、“賢い”行動とは無縁」なものです。そして「疲れたり飽きたり嫌になったりしてもなお続く」「衝動とは、そこにレールがあるかどうかを気にせず走っていく力のことだ」というのです。(谷川嘉浩『人生のレールを外れる衝動のみつけかた』2024より引用)ちなみに、マンガの魚豊『チ。』第1巻もセットで読んでみてください。

なんでオレこんなことやってるんだろう

心当たりがありました。たまにそういう中高生に出会います。気仙沼でも、今回能登でも出会いました。非合理な衝動に取り憑かれ、大人がよく聞く「将来の夢」とか「キャリア」なんてお構いなしです。でもそういう取り憑かれたときにこそ、彼らは最も学びに対して枯渇していたりします。何より私自身、身に覚えがあります。「なぜ気仙沼に移住してまで何年も活動を続けられるの?」とこれまで何度も尋ねられてきました。しんどくなかったと言えばウソです。むしろ大変なことの方が多いです。でもそれも自分の物語なので夢中になります。いつでも辞めれたので辞めなかった、という慣性の法則のような持続力に私自身がびっくりです。

そして昨年が久々に新たな衝動に駆られた年でした。気仙沼と能登をつなげたくて突っ走ってきましたが、やっぱり内実「この道で合ってるのかな」と不安でたまらない一年でした。会社にスタッフもいて家庭もあって、稼げる見込みのない事業にせっせと取り組むのはとんでもないプレッシャーがかかります。勢いよく一人レンタカーで乗り込んだにも関わらず、アテにしていた人がみんな現場で忙殺されてて、私だけぼーっと半日くらい時間を持て余したとき。とぼとぼ荷物を抱えて一人輪島の街中を歩いているとき。「なんでオレこんなことやってるんだろう」百回くらいつぶやきました。でも結局、能登の高校生に会って声を聞くたびに、衝き動かされるんですね。「なんとかなる」で自分を納得させてしまいます。

これら周囲の中高生や自分自身の気づきや経験から掘り起こした言葉が「夢中」です。もっと中高生たちが夢中になる姿を見たい、それを支えたい。それこそが気仙沼の事業にも能登の事業にも一気通貫する私の夢中でした。「中高生と夢中を見つける」これを2025年のキーワードにして、今年も衝き動かし、衝き動かされていこうと思います。

(まるオフィス SEASON REPORT vol.31 2025年1月 コラム)

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