[まとめ]Shopify (Re)unite
2020年5月21日24:00から約1時間30分Shopifyの新機能発表がオンラインで開催された。
日本国内のEC事業者、ECプラットフォームでも既に実施済みの機能も多かったが、月額固定(もしくは従量課金)で標準機能として提供するという事に関していうとShopifyの活用メリットは日本の多くの小売、飲食、サービスにとっても嬉しい内容であった。
更にECの機能性向上(フロントもバックオフィスも)だけでなく、ビジネス自体のサポートという枠組みでの発表であった。
*言葉やニュアンスが多少Shopify側の意味合いと違うかもしれませんが、まとめ程度の内容とご理解ください。
1.ShopifyCapital
最近は政府管轄の銀行や貸金業者からお金を借りることが難しくなっている。
更に、お店は商品の発注やマーケティング投資のための資本を借りるにもお役所仕事や事務処理に時間が割かれていた。
ShopifyCapitalはShopifyのアカウント内で申請→承認されれば数日で資金調達が可能になる。(米国、英国、カナダ)
店のオーナーの過去のクレジットヒストリーをチェックする必要はない。
これまで10億ドル、さらに追加で2億ドルの資金提供が決まっている。
融資の金額は200ドルから100万ドルまで。
誰でも簡単にEC構築できます。だけではなく、資本というビジネスにおける根幹の重要な部分を支援する仕組み作り提供はShopifyという会社ブランドとしても非常に評価されるべき点である。
2.Shopify Balance
Shopifyのお店のビジネス運営上のお金のやりとりを効率化する仕組み。
Shopify Balanceアカウントで売上や支払いを統合し、資金一箇所から管理.。
Shopify Cardで支払いとATMからの資金の引き出しを管理
福利厚生やビジネスのお支払いへの割引が実施される
ShopifyCapitalに続き、ECという枠組みからビジネスの根幹をサポートする仕組み作り提供。EC機能のバージョンアップも重要ですが、こういうサポートは競合との大きな差別化になり、Shopifyを選定するメリットも出てくる。
3.ShopifyPOS
・スマートグリッド機能:ShopifyPOSは機能ごとに担当者権限を振り分けられる。
・店舗在庫確認・受取機能:この状況下になって特に非接触型の購買が増えているので、オンライン上で近隣店舗の在庫確認をして、店舗受取する機能。
・店舗決済:非接触で購買できるように店舗でQRコード表示→オンライン決済が可能。
・タブレットチップリーダーとデビットを導入(今年後半にカナダ、英国)
数週間前にShopifyPOS市場最大のアップデートがあった。小売の未来のための拡張可能なものにした。
小売業者から非常に多くの時間を割いている事を知った。物理的にも教育にも。
そして、この数ヶ月でレストランのビジネスモデルは完全に変わった。
あるお店の話。
3月13日にShopifyPOSにして、リアルの売上比率が74%だったが、6週間後オンラインの売上比率94%になった。オフラインの売上が70%落ち込んだがオンラインでカバー。
このマルチチャネルがShopifyの力である。
今年の10月まで完全無料
Shopifyの機能アップは常にお店の声を非常に聞いて、開発されているように感じた。
顧客視点からの課題解決。
日本でもShopifyへのリプレイスは増えても、Shopifyからのリプレイスはそう簡単にはできないのではないか。
4.オムニチャネル化
・ローカルピックアップ
3月中旬から4月中旬で全体の受注は176%伸びている。
しかし配送遅延が発生している。
地元の店ではローカルピックアップができるようになる。
将来的には道の好きな場所や指定の場所でピックアップできる。
・ローカルデリバリー
店舗の近くであれば、スタッフが配達することもできるようになる。
日本のECにおいては受取場所は自分たちの店舗指定が多いが、どこでも好きな場所、道端でもOKな仕様にしていきつつ、お店のスタッフが配送する事も配送エリア圏内(設定可能)なら可能とは非常にお店の事もエンドユーザーの事も考えられた仕組み。
5.新機能
構築
・画像や動画をドラッグ&ドロップできるようにする(2020年後半)
・新テーマ「Express」 飲食店も簡単に写真撮影して挿入するだけECサイトオープンできる
決済
・SHOP PAYで分割払可能に。
・ギフトカード機能でキャッシュフロー改善
・チップ機能
・通貨の選択枠が133種類 より越境やりやすく。
機能
・メール、MAのローンチ テンプレにドラッグ&ドロップで簡単作成
・チャット機能 現在はiosだけだが、Androidもリリース予定
小売でも来店前にスタッフに対してチャット質問が増えてきた。
CSの管理画面に関してもスタッフがどの会話が割り当てられているのか?
スタッフ間でもコミュニケーションをダイレクトメッセージでやりとりでき、すぐ解決させる。
購入前、購入後にリアルタイムにお客様とコミュニケーション取れる機能。
販売管理
これに大きく時間を費やしては意味がない。
商品検索すると在庫数など簡単に確認できるがここに一番時間かかっている。
・商品アップロード方法
注文管理のインデックスも再設計した。
将来的には、店舗のワークフローに合わせてカスタマイズできるようにする。
・商品詳細ページ
Shopifyで一番見られているのは商品詳細ページ。
昨年は11億ページビューになった。
スマホカメラだ撮影・編集してすぐに掲載できるようにする。
・注文編集機能リリース
返品をやりやすくする。これは本当に良い顧客体験をさせるには重要。
そのためには管理側もやりやすくする必要がある。
SHOPアプリ
SHOPというアプリをリリースして、1600万人以上が利用している。
顧客は全てのShopify出店の店を見る事ができる。最新情報や店舗情報
自分の注文の追跡(トラッキング)ができる。
全ての履歴を一つのアプリに集約する事で過去の店にも触れる機会を作る。
6.まとめ
今回Shopifyの発表の内容を整理して、ShopifyはECプラットフォームというよりは、コマースビジネス全体の立ち上げ・運用・拡大のサポートをしていく日本の企業ではまだ見ないスケールの大きさがとディテイルまで考えられた新しいSaaSプロダクトカンパニーであると感じた。
私は今までコマース21、ecbeing、Makeshop、BASEなど様々なECプラットフォームで構築、運用をしてきたが、今年に入ってからShopifyについて調査、確認テスト、構築をしてきて、今後の日本でのShopify市場拡大は必至あると確認した。