環境税(2)
前回環境税の仕組みとメリットを説明したが、再度簡単に述べると二酸化炭素などの排出ガスの量に比例して政府に税を納めることを環境税と言ったが、これからは誰が環境税を納めるのか考えていきたい。そして環境税がどのように使われるべきなのか考えていきたい。
ここで例として分かりやすいガソリンを財として考えてみよう。電車やバスなどの公共交通機関があまり発達していない田舎の地域はガソリンの値段が上がっても交通手段が車以外にないので生産量(ガソリン)は値段に関係せず一定になる。すなわち写真の(1)の方になる。一方で都会のような公共交通機関が発達している場所はガソリンが高くなると電車などを使う人が増えてガソリンの需要が少なくなる。すなわち写真の(2)になる。まず、(1)の田舎の地域に注目するとE₁が環境税を適用した場所であるが、課税前の直線と比べると、P₂からP₁へ上がってる。この図を見るとP₀からP₂の金額は生産者側が負担するところであり、P₁からP₀は消費者側が負担するところである。よって、田舎は消費者が多く環境税を負担することになる。一方で都会ではこの考え方をすると、P₀からP₂の金額が大きくなることから、生産者側が多く環境税を負担することになる。すなわち、都会は生産者が多く環境税を負担することになる。
生産者側に環境税を多く負担するのは企業として改善する余地はあるものの、消費者に多く払わせるのはあまり効率的とは言えない。この問題点を解決せずにフランスが環境税の導入をして多くの非難が集まった。一般的に田舎の人々は都会よりも収入が少なくかつこの税の特徴として田舎民に多く払わせるようなシステムになっている。言い換えると、低所得者に多くの税金を支払わせるような制度になっている。そのため「黄色いベスト」をかけて環境税の導入に反対するデモが行われた。
この消費者に負担させないための解決策を考える。まずこの税を一部の地域で導入する。その条件としてガソリンで考えると公共交通機関が発達している東京都だけでやるという方法である。すべての需要価格弾力性が都会で大きいとは限らないので、生産者が多く負担する時に環境税を導入する。また他にはガソリンの例で田舎にも負担させてそのお金で人々に対して補助金を与えたり、他の固定資産税などを減税する方法もある。
このように環境税は地球温暖化にはとても強力な政策であるが、導入するのがとても難しい政策でもある。みなさんも環境税を知ってもらってどのように導入したらよいか考えてほしい。