推薦の合格体験記 ~試験に向けて~
この度、国立大学の学校推薦型選抜にて、無事合格することができました。合格体験記について、この時期にまとめようかだいぶ迷いました。
ですが、1月や2月に共テ利用の推薦を受ける方もいらっしゃるので、その方のためにも、合格に向けて「やったこと」をまとめてみます。
■「書くこと」について
まずは志望理由書や小論文など、「書くこと」についての対策をまとめていきます。
どうして推薦を受けたのか
まず、どうして推薦を受けたのかをまとめていこうと思います。この内容は、面接や志望理由書を書く上でとても重要な心持ちだと私は思っています。
私が推薦を受けた理由は、「早く自分の研究を再開し、建築という新たな世界に飛び込んでみたかったから」。そして「もっと広い世界を、目で、耳で、そして肌で探究したかったから」です。
そんな熱い想いを、高校一年生で大学のオープンキャンパスに行った時から持っていました。今思えば、このような誰にも負けない大学に対する熱い想いがあったからこそ、志望理由書や面接はすべて自分の言葉で伝えることができたのかもしれません。
このように、推薦入試ではブレない「自分の執念」を何か一つ持つことが大切だと私は思います。
一般入試でも入ることができるのに、どうしてわざわざ推薦入試を選んだのか。この問いに対して、決して「楽だから」なんていう理由を付けないでください。それとは違う、自分だけの理由を表現することができれば、誰にも負けない志望理由書が出来上がると思います。
自問自答ノートを作っていた
私は二か月ほど前から、重点的に推薦の対策をしていました。そのときにやっていた「自己分析」の方法として、「自問自答ノート」があります。
自問自答ノートには、「どうしてその学科に興味を持ったのか」「自分の長所と短所」「自分が今まで何をしてきたのか」「自分は将来、何をしたいのか」「自分は社会問題に対して、どのように貢献できるのか」など….
挙げるとキリがないですが、全部手書きでノートにまとめていました。また、ボールペンで書くことで、書き間違いの中にある自分の迷いも書くようにしていました。
この写真だと、自分の行きたいコースの中に「持続可能」という言葉が出ているのがわかると思います。ですが、「持続可能」というワードに自分の中で引っ掛かりました。
その言葉、本当に理解している?
よく聞く言葉こそ、調べるようにしていました。ここで使われている言葉の「定義」とは何か。そして書いてある通りにそのまま書くのではなく、自分のまとめ方で書くようにしていました。
こちらでは、左のページで最後に要約しています。右のページではなんか気になったので、ついでに調べています。
また、自分の目指したい分野の「実際の企業の取り組み」もまとめるようにしていました。すでに行われている取り組みを知ることで、「課題へのプロセス」の手法が増えるため、解決策のアイデア力にも直結します。
自分のやりたいことを、ノートに手書きで言語化することで、ぼんやりとしていたやりたいことが、だんだん「はっきりと」してきます。これは志望理由書にとても強い効果を生み出します。
さらに学部によりますが、その大学の地元の「農林水産業」についてはしっかり知っておいた方が良いと思います。私は、絶対知っておいた方が解決策に深みができるな…と思っていたので調べました。
このように、浮かぶすべての「自問」に向き合い、答えをノートに書いていく形で「ひとりで自問自答」していました。
志望理由書を書く前にしていたこと
志望理由書は自己アピール書ではありません。なので、やったことより、「大学に入ってやりたいこと」を書く必要があります。ある程度、過去→現在→未来の流れは必要ですが、主題としては「どうしてその大学に行きたいのか」なので、この主題を忘れないように書きました。
ですが、これを書くには「自分のやりたいことを深く理解する」ことが必要です。なので、私は志望理由書の文章をいきなり考えるのではなく、マインドマップのようなものを書いていました。
連鎖的にどんどんやりたいことが具体化していきます。また、自分のことをこのように引きで見ることで、やりたいことに対する「自分の足りない知識や技術」がわかってきます。
やりたいことに対して、足りない知見や技術を得るために大学に行きます。なので、「自分に足りないこと」の自覚は深い志望理由書を書くために必須だと思っています。
私はプレゼンや大切なメッセージを書くとき、毎回このようなマップを書いています。簡単に書くことができるので、作業が始めやすいです。
自分のことを俯瞰できるので、個人的にはおすすめです。自己分析の方法は調べると、他にもたくさん出てきますので、自分に合った自己分析をしてください。
また、私は山田さんのnoteに描かれている「自然な自己分析」が好きです。
山田さんのnote『ただ書く、よ。』では、ふと浮かんだ自分の中の疑問や想いが自然と描かれています。なんともない日常を深く考えてみる。ぜひ、ご一読ください。
自分の言葉でまとめる練習としてnoteを書いていた
小論文や志望理由書、そして面接ではいかに「自分の伝えたいことを、短い空間で上手く表現するか」だと思っています。
この「表現する力」は「日々、練習していないと身につかない」と私はずっと思っています。そんな中、〆野 友介さんという方のnoteを読みました。
いつの記事かは思い出せなかったのですが、「noteを書くことが、書く力に繋がる」ということを書かれていました。おお、そうなんだ…と思い、次の日あたりから、実際に自分でも記事をまとめてみることにしました。
その記事のシリーズが『つぶやき』になります。
最初は共通テスト対策で解いた国語の現代文から、ふと思ったことをまとめてみました。
この記事を書く上で、現代文の内容をまとめるには短文で要約する必要があります。自分の伝えたいことを書いていたら、いつのまにか自然と、他の出来事を要約する力に繋がっていました。
また、英語の教科書に出てきた「Edible Schoolyard」についてまとめてみました。ここらへんから、私の知らないことに対する好奇心が抑えられなくなっています。
教科書に書いてあることだけではなく、「日本だったらどうなのか」みたいな疑問を生み出し、実際に自分で調べていました。そしてそれを要約してまとめる。
さらに、調べたことだけではなく「自分の意見」を書くように意識していました。一通り調べた中で、この業界や課題における解決策や将来の姿、自分だったらどうするのかなど、自分の意見を書いていました。
調べるときには必ず「複数の記事」を読んでみることを意識していました。一つの視点にとらわれずに、多面的に物事を見ようと普段から気にかけていました。
また、「自分の意見を書く」ことがたまに難しいと感じている方がいらっしゃいますが、なんでもいいんです。「自分だったらどうするのか」、難しいことを書こうとしなくてもよいと思います。
このようにたくさん考えながらnoteを書いていたことが個人的には7割ほど、推薦の役に立っていたと今では思っています。知識を表面だけ得るのでは、まったく役に立ちません。
自分で書くことで学びが深まり、さらに自分の意見を考えるきっかけにもなります。サイトで調べて読むだけとは大違いです。ぜひ、あなたもnoterになろう。
小論文では絶対に「結論」から書くようにした
初めの一行は、絶対に結論を書くようにしました。会話の中でも、自分の質問に対して、ずっと答えを言わないままで話されると少し困りませんか?相手のことを考えると、先に答えを言った方が会話の内容理解も聞いてる側の心も楽になります。
最初は、小論文は「自分の考え」を書くものだと思っていました。ですが、〆野さんの記事やコメントをくださるフォロワーさんのおかげで、小論文とは…
「出題者との会話」
ということに気づいたのです。読んでいる側は同じ人間です。出題者のことを考えながら、文章構成や内容を書いていくことはとても大切なことです。
また、最初に結論を書くことは、「最後に結論を書くとき」に活きてきます。最後に結論を書くとき、最初に書いた結論と確実に同じであるか。自分の文章の軸を再確認することができます。
最初に結論を書いておかないと、最後に結論を書くときに視覚的に確認できません。これは正直、大きく点数に関わる気がします。(点数開示はされないので、自分が小論文で何点取ったのかはわからないままですが。)
当時、参考にしていた〆野さんの記事を挙げてみます。ぜひ。
■「話すこと」について
「書くこと」について語った次は、「話すこと」についてやったことをまとめていきます。これは主に面接対策のお話になります。
アドリブで話す機会を沢山自分で掴みに行った
「原稿を用意して話す」ことに、私は非常に抵抗感があります。原稿はあくまでも「土台」であり、そこから自分寄りにどんどん言葉が変化していくものだと思っています。
原稿というただの形であったものが、どんどん「自分の言葉」へと変化していく。そんな感覚です。
面接官は何年も生徒を見てきたプロなので、「原稿丸暗記」の言葉はすぐに見抜けると思っています。個人的にはそんなもの抜きで、原稿丸暗記の言葉より、自分の中から今その場で出た表現の方が強いと思っています。
なので、面接試験において「原稿を作って丸暗記で挑む」ことはあまりおすすめしません。ですが、いきなり原稿から卒業して、アドリブで全部自分のことを伝えるのは難しいと思います。
そこで、「アドリブの練習の場を自分で掴みに行く」のです。私は研究の中で、「動く」ことが大好きだったので、たくさんの学会やコンテストに出て、「人前で話すチャンス」を掴みに行っていました。
原稿はある程度用意しますが、何回か話していくうちに「原稿がいらなく」なります。なぜなら、原稿なんかなくても「どの順番で話せば、どの言葉で話せば自分のやりたいことが伝わりやすいか」が掴めてくるから。
そしてアドリブで話すと、必ず「深い改善点」が生まれます。原稿丸暗記だと、「原稿と違うことを話した」や「噛んだ」程度の改善点しか生まれません。
ですが、アドリブだと「もう少しこの表現の方がよかったな」「自分のやりたいことのここが、まだもやもやしているな」という深い改善点が浮かびます。
これを改善していくことで、「自分の表現」が生まれてくると思っています。結構昔から大切にしているモットーの一つです。
その境地に立てるまで、何度も機会を重ねていきました。何度も何度も、たくさんの人に自分のやりたいことや夢を話していく。自分の研究をプレゼンする。何度も何度も…
何度もやっていく中で、自分の夢は、人に話すほど具現化するものだと気づきました。人に話すほど、夢が成長していく。成長していることが、実感できる。実感できるまでやる。
アドリブの機会は意外と身近にある
私はコンテストや学会、そしてありがたいことに取材をたくさん受ける機会があったので、そこで練習していました。
もっと身近な例で言うと、先生や友達に自分の夢を話してみることです。というかよくよく考えてみると、普段友達と話しているときは「アドリブ」じゃないですか?
そのノリで、「実はめちゃめちゃ大きな野望があって…」みたいな雰囲気で話すと語りやすいかもしれません。私の友達は、本当に優しくて変人だらけなので、めちゃめちゃ笑い交じりに聞いてくれます。そのくらいの雰囲気がちょうどよい。
先生にも、面接対策というノリで自分の夢を語ってみてください。先生は自分よりも絶対に長く生きています。新しい視点を増やすことができるチャンスです。
本当に自分の夢を人に話せば話すほど、消費される代わりにまたさらに新しい大きな夢へ成長することができます。私は夢を消費されるより、それによって生み出される成長を取りました。
研究発表や授業の発表でアドリブの練習
夢を語る以外にも、アドリブの練習をする機会はあります。それが「学校の授業での発表」です。研究発表や学校のグループワークで最後発表するとき、原稿を丸読みしていませんか?
原稿丸読みから卒業しよう
その授業の発表から、アドリブの練習は始まっています。別に失敗しても、明日には誰も覚えていないです。その失敗が、これからの「アドリブ力」に活きてきます。
原稿丸読みは、アドリブで出た「自分の言葉」の力には絶対に勝てません。これだけは、強く自信をもって言えます。めずらしい。
話すときでも「結論」から話した
面接でも、小論文と同じで「結論」から話すように心がけました。わかりやすい例えで話すと、「すきな果物はなんですか?」と聞かれて、「はい、りんごです」と先に答えちゃう。
そのあとに「なぜならしゃくしゃくする食感がわくわくして、好きだからです。」などの理由を述べていきます。
「結論→理由」の流れは絶対に守りました。さらに話すと、理由の流れは「現状→課題→自分の考える解決策」の順に話すように心がけました。
相手の話を最後まで聞く
面接官の質問は最後まで聞きましょう。よく話をかぶせてくる人がいますが、本当によくないです。私もたまにやらかすので、答えが頭の中で出ていても、一呼吸おいて「はい、私は…」と「はい」と言ってから話すようにしましょう。
絶対に面接官の質問に、自分の声をかぶせることがないようにしましょう。
教授と互角に話すことができるレベルまで
そんなこと、到底無理なのですが「互角に議論できるほど、初歩的な知識やその分野の実体験を積んでおく」ことを意識していました。
展示会に行って、わからない言葉はすぐに調べる。使われている木の材質について、メリットとデメリットを調べる。単純なことですが、一つ一つ積み重ねていきました。
先ほどの上の建物についてまとめているポスターみたいなものは、自分でCanvaでまとめています。自分の言葉でなるべく要約するように心がけていました。
読んだ本は載せきれないので、代表的なものだけ挙げておきます。
↑ 図書館で読んだ本 結構内容が盛りだくさん
↑ 展示会で買った本 とんでもなくおもしろい
正直、何を聞かれるかは予想できない
大学によりますが、自分の受けた大学は本当に予想できないところでした。だからこそ、ものすごく楽しかったのです。先輩の模範解答が、あまり存在しないから。
先生から面接対策のときに言われた言葉が、ずっと頭の中に残っています。
正解はない、一見自由な場に見えますが、必ず不正解は存在する。わかりやすい例で言うと、「問いに答えられていない」ことだ。逆に、答えや主題から大きくずれていなければ、すべて正解だと。
ずっと先生からの言葉が、面接の直前まで鳴り響いていました。だから「自分の解答の軸…いわば結論から話すこと」を絶対するようにしていました。
全部書ききったかわからないけれど
一通りはまとめることができたと思います。読んでいただいた方は、きっと「楽ではない」ことがわかっていただけたかと思います。長期的な計画で、対策を進めていくことをおすすめします。
次回は「日常編」として、どうやって推薦に向けて過ごしてきたかをまとめていきます。受験生の方は、風邪をひいて体を壊さないでください。応援しています。