『オッペンハイマー』の辛さ〜あいまいでなかった日本の私〜
こんなに辛いとは
待ちに待った『オッペンハイマー』。しかし上映中、私の心は引き裂かれそうに重苦しく、観賞後しばらくは具合が悪くなってしまった。どちらかといえば「国」という枠組みの煩わしさから距離を取るように生きてきたので、自分がこのような反応をしたことが自分でも意外だった。
こんなことになってしまったのは、劇中の登場人物たちが日本人にとって辛い発言や態度を見せたからではない。それはあの時代を描いた作品なのだから怒るようなことではない。あくまで映画の外側、つまり監督を筆頭に