そういうふうにできている【さくらももこ】
ちびまる子ちゃんで有名なさくらももこ先生の作品が好きです。
さくらももこ先生は、スピリチュアルやオカルトがかなり好きだったとも言われています。
ちびまる子ちゃんの作中には、ピラミッドパワーやヨガが何度も登場しますし、エッセイではお茶の葉で水虫を治そうとしたりと民間療法を強く信じていることがわかります。
さくらももこのエッセイの中でも、私が気に入っている作品は「そういうふうにできている」です。
この作品では、さくらももこの妊娠前~妊娠中~出産までの体験が綴られています。
妊娠を嫌がる(こわがる?)気持ちや女性ホルモンのバランスに負けてどす黒い何かに飲み込まれていく様がリアルに表現されていて、自分もこんなふうになるんだろうかとハラハラしてしまいます。
たけど、コミカルにも表現されていて、ちょっと笑えるのが面白い。。。
この本の中で、私が特に好きな場面を紹介します。
それは、帝王切開時の麻酔の経験を通して「心と脳(身体)と意識」の存在を悟る場面です。
<脳は肉体であり実態のあるもの、意識は波動的な何かで目には見えないエネルギーとして存在するはず、では心とはなんだろうか。。。>
麻酔で肉体の感覚が遠くなる中、意識が脳を使った状態が『心』であることに気づきます。
【心の正体は、状態である】
さすが、私が尊敬する哲学者・さくらももこ先生。
この考え方は、哲学と神秘性のバランスが絶妙に取れていると感じています。
神秘的なもの、オカルトを好んでいた「さくらももこ」特有のスピリチュアルへの偏りはありますが、どこか『科学の本質』をついているようにも感じるのです。
注目したいのは、物質であり実体のある『脳』(科学で取り扱えるもの)と実体のない『心』や『意識』(科学では解明できないもの)は切り離されたものであるという点です。
現代は人工知能や人工意識などの「それっぽいもの」が溢れかえっていますが、結局は『科学は万能ではなく、心や意識を解明できていない』というのが現実です。
私たちは「科学的に証明できること」と「科学的に証明できないこと(非科学)」でできた存在なんだ、ということを意識させる作品だと思います。
私たちは、科学と非科学が混ざり、それらが行き来するような『あいだの世界』で生きている。