【雑記】窓辺リカの音楽がすごく良い
こんにちは。電楽サロンです。
夏頃からずっと聴いているアーティストの窓辺リカさんの話をします。
きっかけは、Apple Musicの自動再生で流れた「The shilver key」という曲でした。
交通事故でした。一発でぶっ飛ばされてしまいました。曲全体に感じるのは終末です。夏休みの終わり、学校の下校時間、元が何か分からない瓦礫の山、百貨店で聞く蛍の光。記憶にある色んな終わりの要素が、ひとつの音楽になって襲いかかってきました。
もの寂しくて清々しい。刺々しいのに優しい。この曲にブンブン振り回されて自分の身体から色んな感情が溢れかえってきます。
特に好きな部分は、「すべて壊して」と歌ったあとに大量のノイズと歪んだキックドラムが押し寄せてくるところです。青空の中、怪獣が元気に歩き回って街を蹂躙していくような気持ちよさがありました。
後々、ハイパーポップというジャンルを知ってバリバリに割れた低音だったり、暖かな音づくりだったりが似てるなとも思いました。
「The shilver key」以外の曲もめちゃくちゃカッコいいです。
アルバムの中でも「見えざるピンクの」が、お気に入りです。窓辺リカさんのウィスパーボイスとリズム感のある歌詞がマッチしています。少しこもった暖かい音は、夏の昼下がりを思い起こさせます。
「ビビデバビデブパピプペ味覚糖 グミの新作買わなきゃ放課後」……頭に残り口ずさんでしまう歌詞です。
「Ara=hill=imi=tci=tci」は、沖縄の言葉と仏教、そしてブレイクコアが融合した曲です。
途中で真言めいた歌詞が出てきて調べてみましたが、この曲以外で引っかかりませんでした。もしかしたら窓辺リカさん自身が作った真言なのかもしれません。私に仏教の素養があれば……。
「あらひるいみちち」は白昼夢の意味なのだそう。うねるような曲調は実際、まどろんだ朝の頭の中を思わせます。
この曲について調べるうちに、琉球音階というものがあると知りました。「ドミファソシド」の五音を使い、邦楽やアジア、インドネシア、ブータンでも同じ音階が存在しているようです。この曲全体から伝わるエスニックな雰囲気は琉球音階が使われているからなのでしょうか。
化石たちになぞらえて恋を歌っている「思相化石博物館」も好きです。聴いていて優しい気持ちになれます。
窓辺リカさんがインタビューで本当に良い音楽の定義に挙げている「「自分のための音楽になっていつの間にか聴き入ってしまっている」ような、いつでも聴ける音楽」は、私にとってこの曲かもしれません。
「XP-404」はサブスクに入ってくる前に良すぎてbandcampで手に入れてしまいました。どこか懐かしさを感じるのに、曲調が転じていくにつれ、幻想的な美しさを纏っていきます。遠くで見ていた星がだんだんと近づいてきて、夜空いっぱいに光を放っている。そんな印象を受けました。
今はアルバムを鋭意制作中との話で、聴ける日を心待ちにしています。
ライブもあったのに今年は行けなかった……来年は絶対見に行きたいですね。
参考記事
【おわり】