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電楽サロン
2023年7月8日 19:01
前回 桜の舞う前日のことだった。 臼田直義は呆けたように輝くシャンデリアを見つめていた。 街のはずれには城がある。校内で噂は何度か聞いていた。誰が住んでいるのかは、人によって様々だった。ドラキュラと言う人もいれば、東京のヤクザと言う人もいた。「君だったなんてね」 臼田は目の前で背を向ける少年に言った。「驚いた?」 少年がくるりとこちらを向いた。臼田に比べると小柄に見えるが、160セ