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おすすめ刀剣本⑩ 伊勢神宮宝刀図譜
おすすめ刀剣本シリーズも約11か月ぶりの久々の更新です。
今回は少しマニアックなのですが、「古名刀の生ぶ姿、刃の残り具合などを知りたい人」に役立つであろうと感じた図録の紹介です。
更にこの本の良い所は国会図書館デジタルコレクションにて誰でも閲覧可能という点。
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この図録の良さは、伊勢神宮に伝わる神宝、奉納刀の「姿、刃文が分かりやすい構成」になっている点かと思われます。
つまり状態が頗る良い刀の刀身全体写真、押形、解説が載っている点。
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「伊勢神宮宝刀図譜」より
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「伊勢神宮宝刀図譜」より
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「伊勢神宮宝刀図譜」より
付け加えて、PDFでダウンロードすると以下くらい拡大して見れるという点も良い点かと。地景なども写真は粗いが捉える事は出来る。これは大変有難い。
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そして生ぶ姿の太刀が多いのはさる事ながら、目釘孔が1つのものも多く掲載されているので、ほぼ完存状態で残ってきた古名刀がどの位の状態で現代に残っているのかという1つの指標を得られることは大きい。
これは刀選びをするときにも元の姿を知れているという点で目の前の刀の状態がどの程度かを探る上では役に立ちそうではあります。
例えば帽子は鎌倉や平安の古い刀でも、最初はやはり切先の半分くらいまでは刃文があった事が分かります。(古い刀は焼きが低いのではなく、研ぎ減って焼きが低くなっているだけ)
売っているものの多くは殆ど帽子が残っていなかったり、残っているように見えていても刃文が描かれていたりするものが大半なので(鎌倉以前の古刀の話)。
これは致し方無い部分が多いのですが、製作当時の形を正しく把握しておいて損はないかと思います。
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「伊勢神宮宝刀図譜」より
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「伊勢神宮宝刀図譜」より
という事で伊勢神宮宝刀図譜は以下から見れるので興味のある方いましたら是非。紙媒体が良ければ日本の古本屋などでも売っています。
南北朝以降の太刀は生ぶで残っているものもまだ見るのですが、それ以前の鎌倉、平安時代のもので生ぶ姿となるともう殆ど見ないので本とはいえこうした資料が見れるのは非常に有意義に感じました。
ところでこうした奉納刀というのはどの位の数が日本に残っているのでしょうかね。
明治の世に一度はあらかた調べられていそうですが、かなりの数の古名刀も残っているのではないかと予想し、重要文化財などに指定しても良いクラスが指定されないまま眠っている物も多い気がしています。
という事で神社での刀の展示会があればこれからは積極的に行ってみようと考えています。
その他のおすすめ刀剣本についてもよろしければご覧ください。
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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