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会津信家鐔 あわび図

江戸中期頃とされる会津信家の鐔。
横76.3㎜×縦82.2㎜、耳厚12.1㎜(最厚部)、切羽台厚4.5㎜

鉄鐔の王者と呼ばれる信家は尾張の金工で室町末期から桃山時代頃とされるが、今回の鐔はその信家ではなく、もっと時代の下がる江戸中期頃とされる会津の信家鐔。離れ銘の銘にも見ている様子が伺える。

高温で熱した三本爪の孫の手のようなもので鉄が柔らかいうちにぐにゃりと曲げて造形したように見える。
そしてその後、溝となった丸い部分を貫通させることで反対から見た際に如何にもアワビの貝殻のような見た目を表現している。


ちなみに本鐔は「鐔の美 著:松永廣吉他」という本に所載されている。

「鐔の美 著:松永廣吉他」より

箱には著者の一人である松永氏の印が押されている。


後代信家との事であるが鉄味が比較的よく感じられる他、以下の様に柄を握ったと想定して手を鐔の面に当ててみると、手の甲の親指と人差し指あたりが包まれている感じがして装着感が頗る良い。
あわびの図というのはグニャリグニャリと適当に曲げているようにも見えるが、案外に実戦に即した形状だったりするのかもしれない、などと素人ながら感じた次第。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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