あぁ、村正。
村正は刀に詳しくない方も知っていると思います。
漫画やアニメ、ゲームなどでもよく登場します。
最近はふなっしーが村正を買って話題になっていましたね。笑
記事にも書きましたので、気になる方はご覧ください。
村正の事を調べると多くは「妖刀伝説の話」になるので、今回の記事では村正の刀自体にフォーカスを当てて書こうと思います。
どんな作風で出来としての現代の評価はどのようなものかなど。
①実は村正の刀は少ない。短刀の方が多い。
多くの人は村正と聞くと以下の様な刀サイズ(刃長70㎝位)の村正を想像すると思いますが、実は実際の村正は短刀の方が多く現存しており、刀はかなり少ないです。
(村正の刀はよく切れると当時から評判であったことから戦場で使用され殆ど残っていない可能性もありそうです。)
以下のような村正は少なく、
(画像転載元:https://kougetsudo.info/sengomuramasa/)
以下の様な短刀は比較的多い。
(画像転載元:https://www.touken-sato.com/event/katana/2013/09/T-muramasa-01.html)
②村正と名乗っていた人は沢山いる
村正は現存する年季や作風から四代いる(現在の通説)と言われています。
室町中期以前の作刀が実在していない事から、本朝鍛冶考(1796刊行)などの古書は村正の時代を吊り上げて正宗の弟子とするなど貫禄を付けたものだと考えられているようです。
(※現在では村正が正宗の弟子とは考えられておらず、作風も全く異なります)
・初代(文亀頃 1501年頃)
伊勢千子村正。伊勢国(今の三重県桑名市)の刀工です。
現在では最も古い裏銘のある文亀頃の村正を初代としています。
一説では始めは農器具(鎌、鍬など)を主として作っていたようですが、
刀剣需要が急速に増大したので京都の平安城長吉に鍛刀を学んだとされています。
一派的に妖刀村正と言われる村正は初代や二代の作になります。
よって値段が高いのもこのあたりの作になります。
(画像転載元:https://kougetsudo.info/sengomuramasa/)
・二代(天文頃 1532年頃)
最も技量に優れていると言われているのが二代村正です。
(画像転載元:https://kougetsudo.info/sengomuramasa/)
・三代(天正頃 1573年頃)
二代までと異なり大切先になるなど豪壮なイメージが見て取れます。
(画像転載元:https://www.touken-world.jp/search/20796/)
・四代(慶長 1596年頃)←新刀の時代
この辺りの村正については情報が無く分かりませんでした。
③村正の特徴
・表裏の刃文が揃う
意外に思うかもしれませんが、実際の刀は表と裏で刃文が揃っていません。
村正は意図して以下のように刃文が揃う事が特徴とされています。
(画像転載元:https://www.touken-sato.com/event/katana/2013/09/T-muramasa-01.html)
・「たなご腹」という形の茎
(画像転載元:http://www.eonet.ne.jp/~katana-30/meisho.html)
・刃文は箱乱れ、のたれ、三本杉。
(画像転載元:https://www.mokuzai-tonya.jp/05bunen/zuisou/2006/09nihontou32.html)
・腰刃を多く焼く。
区の部分の刃文が大きくなっている
(画像転載元:https://www.touken-world.jp/word/pattern/)
・匂口が沈みがち(刃が明るくない)
・帽子は乱れ込み、地蔵帽子か尖り気味になる
(画像転載元:http://www.eonet.ne.jp/~katana-30/meisho.html)
・短刀の多くは三つ棟
(画像転載元:http://www.eonet.ne.jp/~katana-30/meisho.html)
・銘が消されていたり、変えられている事がある
以下は村正の「村」の字を「廣」に変えて、廣正にされた短刀です。
(画像は上記リンクより転載)
④刀界での村正の一般的評価について
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