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刀の「合作」とは

合作とは2名以上の刀工の名前が茎部に刻まれた刀の事です。
つまり共同で作刀したものになります。
今は電動ハンマーなどがありますが昔は当然無かったので、1振を3~4人で作っていました。
そういう意味では存在している全ての刀は合作とも言えそうですが、あえて茎部分に名前を刻むという事はやはり特別な意味があると言えそうです。

現存している合作を見ると、流派の違うもの同士での技術交流を目的としたであろうものや、師匠との合作、同門同士での合作、親子での合作などなど、特別な意味が込められた刀のように私は感じます。
今回はこの合作についていくつかご紹介します。

①村正・俊次・俊廣(重要刀剣)

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(画像出典元:丸英刀剣

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(画像出典元:丸英刀剣

村正(二代)・俊次・俊広の三人合作です。
現存確認されている村正の合作刀は各代別を含めてこの一振のみらしいです。
リンク先を読む限り、俊次は室町後期享禄頃の相州小田原鍛冶で、俊広は日本刀銘鑑に記載はないものの、おそらく俊次の兄弟或いは子弟関係にあった者ではとの事です。
3名以上の名前が並んだ刀は私はこの一振りしか知りません。
他にもあれば是非教えてください。


②宗光・勝光(特別保存刀剣)

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(画像出典元:日本刀販売の葵美術

俗名(左京進など)入りの宗光と勝光の合作刀は極めて珍しいらしいです。
そして、この脇差とは別物ですが、なんと昨年2019年に坂本龍馬の行方不明だった脇差が見つかり龍馬記念館に寄贈された話がありましたが、その脇差もなんと宗光と勝光の合作品でした。

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(画像出典元:高知新聞


③国広・国儔

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(出典:「京のかたな」図録)

国広は新刀の祖と言われる名工で、後の新刀を代表する数多くの門弟を育て上げました。
国儔は国広の門弟の一人で、国広の代作者(代わりに刀を作る人)だったとも考えられています。
つまりこの方は師匠と門弟の合作刀になります。
どんな思いでこの刀は作られたのでしょうか。

④津田越前守助広・井上真改(特別重要刀剣)

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(画像出典元:刀剣ワールド 刀 銘 津田越前守助広 井上真改


大阪新刀の巨頭同士による夢の合作で、京のかたな展にも出ていました。
流派の垣根を超えて技術交流をしていた事が分かります。
因みに合作の通常のルールは表に銘のある方が上位者と見なされます。
この場合表に助広の銘があるので、助広が作刀をリードしたと考えられます。
これほどの名工同士の合作は他を見ても無いのではないでしょうか。
昔から有名な名品だったようで「慶長以来新刀辨疑」にも記載があります。

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(出典:「慶長以来新刀辨疑 現代語訳 訳:内藤久男 P401、P402」)

以下の記事で意訳していますのでご覧ください。


⑤義人・兼国(現代刀)

(画像は以下リンクから転載)

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(画像出典元:刀剣ワールド 太刀 銘 義人・兼圀合作


現代刀匠でも合作が行われています。
こちらはなんと無監査同士の合作刀。(吉原義人刀匠と、尾川兼国刀匠)


⑥三刀匠合作刀(川崎刀匠、明珍刀匠、月山刀匠)

そしてこちらは何と3者(川崎刀匠、明珍刀匠、月山刀匠)による合作刀。
阪急うめだ本店で開催される展覧会の為だけに作られたとされるまさに至高の一振りですね!


・終わりに

合作は普通の刀以上にその背景にあるストーリーを感じてしまうのは私だけでしょうか。
そしてフォロワーさんにも合作をお持ちの方がいます。
なんと親子の合作!
色々な思いが詰まっていそうな御刀ですね^^


そしてこちらもフォロワーさんの御刀。
なんと名工同士の合作!(河内守国助と、丹波守吉道)
しかも刃文の形が表裏で異なり、それぞれ得意とする刃文(拳形丁子(河内守国助)と簾刃(丹波守吉道))を焼いているという技量の高さを感じさせてくれる御刀。
こんな刀もあるんだなぁと驚きを隠しきれない一振りです!


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

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