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【倶利迦羅不動寺】オリジナル刀展示ケース製作日記① 構想~設計

現在、倶利迦羅不動寺さんに納めるオリジナル展示ケースの制作を進めています。
大塚工藝社さんのfacebookサロン「とうさろ」から製作依頼を頂きました。
完全オリジナルで製作している刀専用の展示ケースです。
(記事トップ画像転載元:https://www.hot-ishikawa.jp/spot/21235#)

①「とうさろ」とは

月額550円のfacebookサロンです。
入会すると、「日本刀大鑑」という買うと30万円近くする希少本の閲覧が出来ます。(会員にならなくても新刀編は誰でも以下から見れるようです)

他にも今はコロナで難しいかもしれませんが、オフ会なども企画される予定のようです。
職人の方達とも交流が持て気になる事があれば何でも聞けそうですね!

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(画像転載元:https://www.otsukakogei-tousalo.com/)



②倶利迦羅不動寺オリジナル刀剣展示ケース 全体図

という事で少し話がそれましたが、大まかな要望を大塚工藝社さんよりラフ画で頂きそれを基に設計しました。

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少し要素をプラスしてアレンジして設計したデータが以下です。

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②機能紹介

・色々な展示方法が可能

以下みたいに動くので、水平展示、斜め展示、縦置き展示が可能です。
任意の角度で固定する事が出来るので、展示テーマに合わせて展示方法が変えられます。
照明は外部から当てる想定です。


・ケースは単体で床置き出来る

台座から上部のケース部だけを取り外せるので、例えば棚の上などに置くことも可能です。

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このような脚も付けられるようにしています。

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・薙刀以外も飾れる

今回は大きい薙刀を飾る為の展示ケースとして製作していますが、それ以外の定尺の刀も飾る事が出来るように設計しています。
定尺の刀を入れるとこんな感じになります。今回の薙刀が如何に大きいかがわかりますね…。

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刀の場合は当然目釘孔が1個という場合もあります。
その場合は以下のように、一つは目釘孔を固定して、茎の下部をブロックで挟み込むようにして刀身が回転するのを抑えます。

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③その他の工夫

・目釘孔を傷つけない

目釘孔をネジで固定するわけですが、そのまま固定するとネジ部が金属なので、茎の錆びを削り落としてしまう危険があります。
そのため直接ネジが当たらないようにする必要があります。
以下は断面図ですが、このように樹脂部材を入れる事で、茎に対して直接金属部が接触するのを防いでいます。

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こんな感じです。

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・重心位置は下方にくるように設計

以下はそれぞれの角度時での重心想定位置です。
当たり前といえば当たり前ですが、やはり重心が上部にあると転倒の危険があるので、どんな角度の状態でも重心が下方にくるように考えて設計しています。

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④終わりに

今までにないサイズの展示ケースの製作依頼と言う事でとても楽しみながら製作しています。
9/8頃にフレーム類が完成予定なので、そこで仮組してみて想定している動きをちゃんとするかを見てみようと思います。
いやぁ…緊張する。
塗装前に仮組するので色味は違いますが、完成形の姿を十分イメージ出来るものがお見せ出来ると思います。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!

続きは↓


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