ビビビビビ美っ!
今日は3回目の即売会へ朝一から参戦してきました。
土曜はやはり混雑していましたが、その分知人の方も多く来場されており楽しめました。
個人的な話でいえば過去に拝見した事があるかと思い今まで1回目2回目とスルーしていた作があったのですが、今日は不思議とガラス越しに見ても気になった作があったので混雑する前に少し拝見させて頂く事に。
いや…なんというか、これはもう…凄い…。
棟に打ち込み疵があり帽子がかなり減っているなど時代相応の使用感が感じられつつも尚相当の身幅と重量を残している。
元寇以降それまで細身で優美だった刀の身幅が広くなり豪壮な雰囲気を醸し出す鎌倉中期に見られるような姿をしていた。
地沸が厚く付いて若干古備前のような地鉄を残しつつ、匂口は雪のように柔らかくそして明るく覇気のある丁子には乱れ映りが全面に美しく出ている。
匂口が柔らかいのは勿論のこと映りもまた柔らかいとは何事か。(映りが柔らかい、という表現は一般的にしないと思いますがそう見えたので)
ここまで書くとだいぶ誰の作か分かる人なら分かりそうなものですが、かなりの大大名が所持し命を託した刀だったのではないだろうか、そんな妄想が搔き立てられる。
その後はもうひどいもので。
以前感動していた他の名刀が色褪せて見える状態に。(実際はただの個人的な好みによるバイアス効果による差と分かりつつも…)
この感覚はなかなか得られるものではなく久々です。
ビビビビビっ!という感じ。
手に取ると恐らく過去2度ほど見せて頂いた記憶があるのですが、過去見ていた感覚とは異なり今回は迫りくるものがある。
この感覚は懐かしく…。
そう、過去短刀を購入した時にも感じた事のある感覚です。
この刀を見せて下さい、、
すみません、もう1度見せて頂いて良いですか、、?
と結局2度も店員さんの手を煩わせてしまう事に…。
そして3度目は他のお客さんが見られていたのを一緒に見せて頂く事に。
という事で1日、それもたった3時間のうちに3回も同じ刀を見る事になろうとは。。
そういえば名札部分に伝来の記載はなかったものの、お伺いしたところ図譜を見せて下さり、そこには某大大名伝来の記載が。(霜剣堂さんは伝来を名札に書き込まない事が多々あるのです)
驚いた事とといえば最近手にした刀装具が長い歴史の中で一時その家に納まっていた可能性が高いという事。
こういう如何にも刀や刀装具同士が引き寄せ合っているような、刀に呼ばれているような感覚というのは刀や刀装具蒐集などをしているとままある不思議。。
これが刀趣味の面白い所なのかもしれません。
とりあえず今回は期間中もう行けないので暫く日を置いて考えてみる事にします。縁が無ければもう見る事もないでしょうし、あればまた目の前に現れるはず…。つまり天任せ。
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)