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刀展示ケース製作日記③ 設計

私が作る展示ケース(刀箱漆)の制作工程を複数回に分けて書いています。
完成した展示ケースは以下の物です。

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動画でも刀展示ケースの機能を一通り紹介してます。


・前回までのあらすじ

まず刀を綺麗に見せる為のライト選定を行い、
次にそのライトを刀に当てながら綺麗に見える距離感を探ることで大まかなケースのサイズ感を決めました。


①設計に使うソフト

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(画像転載元:https://www.solidworks.com/ja)

ケースのサイズが固まった後は実際の設計に移っていきます。
そこで使用するのが3D CAD(3次元CAD)といわれる設計ツールです。
私はsolidworksというソフトを使っています。
フリーのCADソフトも1か月ほど試したのですが、どうも作業効率が悪く使い勝手も良く分らなかったので、結局以前勤め先で使っていた有料ソフトを買うことにしました。
なんとこのソフト、100万円という超高額…(泣
半分はIT補助金で賄い、残りは退職金を充てて買いました。。辛い…



②設計が終わるとこんな感じ

完成するとこのようになります。

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設計はデザインと違い機構も落とし込んでいるので、ドアを開けたりなど、可動部分は全て動きますし、電気部材や配線も全て反映しています。

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③レイアウト図を作る

完成データの状態を目標に設計していきます。
前回大まかな展示ケースのサイズを決めたので、それを基に外形を3Dにおこしていきます。

初めの作業として、形状の概略図を2次元で線を書いていきます。
横から見た図を描きます。

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次にこれをぐにょーと押し出します。
するとこんな感じになります。

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既にそれっぽくなりましたね。
これで全体のレイアウト図が出来ました。



④構造を作る

実際は鋼板(鉄の板)を曲げて作るので、このレイアウト図の上から鋼板で作る場合の構造を考えていきます。
さっきと同様にまず線を書いて、押し出します。

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今度は板を曲げたような絵が出来ました。
この形は鋼板を3か所曲げて作る事が出来ます。

レイアウト図に合わせながらこれを繰り返していきます。
折り紙を貼り合わせて箱を作るイメージでしょうか。

レイアウト図を先に作っておくことで後で全体のサイズを変えたいといった時に変更しやすくなります。
(これは設計テクニック的なもので、必ずそうしなければならないという事はありません)

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穴も開けて細かい所も作り込んでいきます。

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これで外装の完成です。
構造をミスると実際に作った時に強度不足で歪んだりするのでそのあたりは一定の知識が必要かもしれません。

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⑤他の部品(電気部材など)もデータ化しておく

その他の部品もちまちま設計していきます。
電気部材などはカタログから寸法図を拾ってきてデータ化します。
こんな感じです。

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外形さえあっていれば作り込む必要はありません。
なので細かい所は雑に作ってます。
上記写真のものであれば大体1部品5~10分くらいでしょうか。

それ以外にも、ライトやフロントドア、背面ボード、刀受け部など、使う部材全てをデータ化します。
ネジもちゃんとデータに反映しておかないと、後でネジが干渉して部品が付かないなど、初歩的ミスをする可能性があるので注意が必要です。



⑥データを組み合わせて完成

各データを作った後はデータ上に組み込んでいき完成となります。
(専門用語でアセンブリといいます)
全くのゼロから作るとなると、大体ここまで完成するのに早くても3ヵ月位はかかります。
今は何回か作りノウハウがたまってきたので、これでも早くなりましたが、当初は色々実験しながら作っていた事もあり、半年くらい掛かりました。

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⑦その他豆知識

第3者に構造についてプレゼンしたりする場合、以下のようにパソコン上で動かす事も有効です。
視覚的にもわかりやすいので、比較的すぐ理解してもらえる印象です。
(でも作るのが面倒)

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この機能は、主に説明書を作るときに使う機能です。
例えば部分的に分解図を作り白黒にして文章を入れると…
なんかプラモデルとかで見た事あるのではないでしょうか。

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⑧終わりに

設計は世の中に無い物を生み出している感覚が得られるのでとても楽しいです。
もっと最高なのはこれが下の写真のように実際の形になった時です。
頭で考えた物が形になる、まさに至福の時間です^^
次回は設計データを基に図面を描き、製作するところについて書こうと思います。

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今回も読んで下さりありがとうございました!
読んで面白かったと感じてくれた方はハートマークを押してくださると嬉しです^^
記事更新の励みになります。

それでは皆様良き御刀ライフを~!

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