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四万十市の七星剣

四万十市では現在、四万十市間崎にある一宮神社に古くから伝承されてきた七星剣の調査がR4~R6年にかけて行われており、個人的にも経過を楽しみにしている調査の1つ。

一宮神社は以下に位置している。


七星剣は国内では7振りが現存しており、刀身の形状が完全に残っている物に限れば東大寺正倉院(奈良県)、法隆寺(奈良県)、四天王寺(大阪府)の3振というが、そのどれもが直刀である一方で、この四万十市の七星剣には「両刃」という違いはありつつも刀身の形状が完全に残っているという特徴がある。
平成12年に四万十市保護有形文化財に指定され、現在は四万十市郷土博物館にレプリカと共に収蔵されているらしい。

以下はその写真であるが、星と星の間をにょろにょろした銀象嵌?のような線で繋いでいるのも面白い。

(画像出典:四万十市

例えば国宝で聖徳太子佩用と伝わる七星剣は星と星の間が直線で繋がれている。

画像出典:「国宝8工芸品Ⅲ刀剣」より


この四万十市の七星剣の調査については過去昭和60~63年にかけて科学分析や観察調査が行われたようであるが、当時の技術では正確な年代特定には至らなかったようで。
今回改めて最先端の技術を用いて七星剣の鉄の分析をし年代や場所の特定を実施する事になった、という背景らしい。

画像出典:「四万十市」より


調査に携わっている方は以下の方々とのこと。

画像出典:「PRTIMES知られざる歴史をひも解く。四万十市七星剣年代特定事業調査開始」より



ただ両刃の七星剣というと他にも見た事があるなと思い探していると見つけた。以下のようなものも過去に備前長船で展示されていたようである。
こちらは星と星の間を線で繋いではおらず、変わりに星が金か真鍮象嵌のようなもので作られているという違いがある。

画像出典:「facebook 山鳥毛里づくりプロジェクト」より
画像出典:「facebook 山鳥毛里づくりプロジェクト」より


このように一言に七星剣といっても色々な物があり、四万十市の七星剣の調査結果次第では新しい七星剣の歴史が紐解かれる可能性もありそうに感じ楽しみな次第。
個人的にはこうした七星剣は朝鮮半島から入ってきたものという認識でいるものの、成分分析などで場所など解明されるようなことがあるのか、続報が楽しみです。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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