鐔の茎孔の形3タイプ
鐔の茎孔(鐔の真ん中に空いている刀の茎を通す穴)を見ていると大きく開いた物、小さく開いた物様々であるが、形もまた様々である。
しかし微妙な差こそあれ、大きく3つに分けられるような気がしている。
①一番良く見る茎孔
いわゆる一般的な打刀や太刀に付けたのだろう。
一番良く見る茎孔の形。
②三角形の茎孔
三角形のようになった茎孔もある。
これは「武士の意匠-透かし鐔- 佐野美術館」を見ると上杉家の薙刀に付帯している鐔の茎孔にそっくりである事から、薙刀用の鐔と考えられそうである。
因みに以下鐔は茎孔を埋めている責金(銅)を無くして考えると打刀用の形になりそうであることから、本来は打刀用であったものを薙刀用の鐔に変えた物ではないか?と個人的に推察している。(が、正しいかは分からない)
あと鐔の外径が小さい場合、例えば鎧通しのような短刀に付けられた可能性もあるような気もしている。
この辺りはまだ情報不足なので引き続き集めたい。
③台形の茎孔
そして3つ目が台形をしたもの。
こちらも同様に「武士の意匠-透かし鐔- 佐野美術館」を見ると蝦夷拵に付帯している鐔の櫃孔に似ている。
そして共通している事は厚みがとても厚い事である。
但し薙刀や長巻(長刀)などで使用された鐔である可能性も捨てきれず、ここはまだ情報が足らないので引き続き集めたい。
④まとめ
という事で今まで個人的に見てきた鐔の茎孔を大別すると以下の3つに分けられるような気がしている。(実際に見る鐔は角が磨れて丸まっているような物も多く見るが)
個人的な感覚で言えば①の形が95%以上を占めている気がする。
茎孔は恐らく一番刀のヒントを表している所であり、この寸法を測る事で付いていた刀などの大まかなサイズも分かってくる。
室町時代の古刀匠鐔であれば、室町時代の刀に合わなければおかしい。
そう考えると刀装具の時代測定をするのであれば、刀の知識がなければ出来ないように、刀と刀装具両方を知る事で点と点が繋がり一つの線になり正しい事が分かってくるようになることも多いのではないか、と考えている。
とはいえ刀、刀装具共にまだまだ見てきた数も少なければ興味のある範囲も狭く知識も圧倒的に不足しているので少しづつ興味の幅を拡げながら知識の深掘りをしていきたいと考えています。
故に今回の内容も現時点での私の個人的な解釈である事を付け加えておきます。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑