良質な「打ち粉」が長船で販売されたようです
打ち粉(刀にポンポンするやつ)は古い油を取る為の道具ですが、このポンポンした時に付着する白い粉は実は刀を研ぐ時の砥石の粉末です。
しかしこの打ち粉にも良い物、悪い物があり、悪い物を使うとヒケ疵が付きやすくなります。
これは粉末の粒が大きかったり、そして角ばっている為にその角ばったものを刀身に載せて布などで擦るから、と考えれば分かりやすいかと思います。
一方で良い打ち粉は微細な粉でかつ丸みを帯びているものです。
こうした打ち粉は使ってもヒケ疵が付きづらいです。
打ち粉はネットでも沢山売っていますが、中身の粉がどのような状態なのか基本分かりません。
量販品はヒケ疵が付きやすかったりとあまり良い物がないとも聞きます。
本当は研師の方が作る打ち粉が一番良いらしいですが、粉を集めるのが大変らしくなかなか作れないようです。
最近では打ち粉は使わずに手入れされる方も多いですが、一方で打ち粉を使う事で刀が落ち着き良くなるという刀屋さんもいらっしゃいます。但し良い打ち粉に限るとも仰っていました。
私自身も打ち粉を使う中で刀が心なしか良くなった気がしたので以前Xに投稿した事があるのですが、その際研師の方が理由を具体的に説明下さいました。
という事で出来れば研師さんの製作された中身の粉が微細な打ち粉が一番良いわけですが、理屈が分かっていてもそんな打ち粉がとにかく無かったわけです。
そんな折、今日安藤さんが打ち粉のツイートをされていました。
どうやら岡山県の長船で活躍されている研師の横山さんが試行錯誤で開発された打ち粉のようで、「通常ならそのまま使用するような上質な内雲砥石の粉に、師匠から頂いた粉をブレンドし、さらに加工した打粉です。」とあり、顕微鏡で見たところ、粒子が丸みを帯びている事が確認できたとの事。
これが「長船ふれあい物産館」で販売されているようです。
素晴らしいの一言です。
まさにこのような打ち粉を待っていました。
尚、通販も可能なようで早速私もお願いしてみました。
届くのが楽しみです!
刀の手入れで刀を痛めるリスクを減らしたいとお考えの方は是非検討されてみては如何でしょうか。
尚、打ち粉は少なからず研磨する事になるので使わない方が良いという意見もあります。
プロ同士でも人によって意見が異なるのでどちらが良いかは各自両方の意見に耳を傾けてご判断頂ければと思います。
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それでは皆様良き刀ライフを!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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