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2024年の刀装具蒐集を振り返る
2024年初めに掲げた蒐集の目標は2点。
①質の良い物を少数精鋭的な感じで絞って買う →✕
②買う場合は下取りに出して総量をなるべく増やさない →△
結論から言えば、①は達成出来ず、②はまずまず達成できた…という感じでしょうか。
①質の良い物を少数精鋭で絞って買う
これについては常に意識はしていたものの、「質の良い物」と「自分が欲しい物」に差が生じて苦しめられた感じでしょうか。
物としては成木鐔や古金工物を中心に買っていた気がします。
質が良くて欲しい物が一致する場合は勿論買いなのですが、実際なかなかそうした物はなく多いのは特段欲しいとは思わないけど出来がとても良く買わないと後悔しそうな物であったり、もっと出来の良い物は存在するがいつ買えるか分からないし、今目の前にある物もそこそこ欲しいと思えるからとりあえず買っておくかというもの。
今年は後者が多く後悔する事も…。
前者のタイプは得てして貴重なので今後そのジャンルに興味を持った時に買わなかった事を後悔する事が多々あります。
今年そのような物は巡りあわなかったもの、昔後藤家の作に興味を持つ前に宗乗の金倶利伽羅龍三所物を購入出来るチャンスがあったのですが、当時は無知すぎて三所物にこの額はさすがに…と見送った事がありました。
今改めて後藤家に興味を持った後にして思えば金額も妥当で出来もとても良くやはり無理をしてでも手に入れておくべき品だったかと。
尚今は海外需要で値上がりしているので当時の金額ではもう買えないしそもそも上三代の龍三所はなかなか出てこない。
そうした意味でも逃した魚は大きかったと後悔中…。
後者の「もっと出来が良い物はあるだろうけど欲しいし取りあえず買っておくか」については、例えば購入した以下の成木鐔がまさにそうでした。(因みにこの鐔の購入は後悔していません。)
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もともと以下のものを本命で2年ほど探し続けていたのですが、同デザインで出来も結構良く欲しいと思えたので、以下を入手できるまでの繋ぎとして取りあえず買っておくか、という気持で購入。
以下の物が手に入る機会があれば入れ替えたいと思っています。
上の成木鐔も出来は良いのですが、以下の図案が完全なる信家写だからです。こうした些細なこだわりも蒐集時の「欲しさ」に作用してくるので自分で自分の事を知るのもなかなか難しいですね…。
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そして本当に買って良かったか分かるのは1年位時差があるので、そういう意味でも①の少数精鋭で買えたかというのは判断が難しい所だったりします。
今年成木鐔は8枚ほど増えましたが、その内惚れこんで買ったのは2枚程。
どちらかと言えば成木鐔は研究の要素が強く、取りあえず買っておくかというものが多い気がします。
以下もそうですね。
しかし成木鐔に関しては蒐集というよりも推し活なので仕方ありません。
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古金工物も前半はそんな感じだったのですが、キリが無いので後半から惚れる物だけに絞ろうと切り替えました。
切り替えたら途端に買う物が無くなりました。
②買う場合は下取りに出して総量を増やさない
一応「刀装具は机の中に納まる分だけ」というマイルールを設けています。
しかし昨年2023年の時点でこれは既に守れておらず、溢れたものを如何に減らすかが今年の目標でした。
尚、刀は「展示ケースと刀箪笥に納まる分だけ」というマイルールを設けておりこちらは守れています。
刀装具は合間合間で欲に負けヤフオクでちょっとした額のものを摘まんでいたりしてしまい一時期20枚くらい飛び出してしまっていたものの、途中まとめて下取に出せたりしたので今机に納まっていないものは12枚になりました。
千里の道も一歩から…。
まだまだとはいえ頑張った方ではないでしょうか!
因みにこの一部をメルカリで出品中ですので興味ある方いましたら左のリンクからご覧ください。
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③終わりに
2025年は机の中に納まるように減らしていく事が勿論目標なのですが、1点1点箱の蓋を開けて見ていくと買った時の記憶が蘇りますね。
どのような物もいつの時代かのお侍さんの刀に掛けられていた物でしょうし、1つ1つ学ばせて頂きありがとうございますという気持で一杯です。
どんな物でも買おうと決めて手元に来たものは、それが例え自分の思っていた物と違っても今後の蒐集において何かしら意味のある事だと考えるようにしています。
2024年も残すところあと1日となりました。
皆さんはこの1年良い刀や刀装具に出会えましたでしょうか?
来年1年もお互い良い出会いがありますように!
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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