成木鐔㉕3枚合わせ?の異質な造り込み
初めて購入した尾張写しの成木鐔を改めて鑑賞。
初めてこの鐔についてブログに書いたのが2年前の4月だったので、成木鐔を買い始めてから2年2ヶ月とも言える。
あれから成木鐔についても20枚程拝見する機会に恵まれたが、当時3枚合わせのように見えていた造り込みについてやはり異質な造り込みに感じたので尾張写し独特の造り込みなのか分からないものの鑑賞記録としてメモしておく。
各写し鐔の断面
・尾張鐔写しの成木鐔
透かしの断面を見るとやはり芯金のようなものを1㎜ほどの板で包んでいる印象を受ける。バリが出ているのは挟み込んだ後に生じたズレだろうか。
端に透かせば良さそうな所、異として複雑な造り込みをしているように見えるのはやはり何か理由があったからに違いない。
鉄骨などを表現する為の一つの試行結果だろうか。
・赤坂鐔写しの成木鐔
断面を見ると無垢鍛である事が分かる。
・柳生鐔写しの成木鐔
無垢鍛である事が分かる。
・信家写しの成木鐔
無垢鍛である事が分かる。
・山吉兵写しの成木鐔
無垢鍛である事が分かる。
尾張、赤坂、柳生、信家、山吉兵写しを見てみたが、該当の尾張鐔写しだけ透かしから見た断面がやはり3枚合わせの様になっている事が見て取れた。
(甲冑師写しなどは今回載せていないが、基本的に厚みが薄く3枚合わせにしようがないので除外)
果たして尾張鐔写しの成木鐔は全てこのような造りこみになっているのか、それともこの鐔だけこういう変わった造り込みがなされているのか。
この鐔には箱書きが無いため自信作というよりは個人的には様々な製作技法を試す上での、いわば実験過程で生まれた鐔のようにも感じています。
現時点では仮説でしかないので尾張鐔写しの成木鐔を見る機会があればまた更新しようと思います。
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成木鐔については以下にまとめて読めます。
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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