私が思う刀の理想的な展示方法
大きな展示ケースに十分な余白を確保した上で刀を展示する。
私の中での刀の展示の理想系(一番刀が美しく見える展示)は以下であると思う。
詰め込むような展示ではない↓
更に言えば出来ればキャプションも黒にして、布も黒にして、刀身だけに意識が向くような展示が理想である。
黒は埃が目立つ…とか言われそうですが。
本当は布すらなくても良いのではないかと思っている。
上の画像を少し加工してみたが、以下のようなイメージである。
(しかし美術館であればキャプションの位置を見る人に分かりやすく伝えなければならないだろうから目立たない色にするのは難しい事かもしれない)
但し布の存在が一概に悪いかと言えばそうも思えない。
布がある事でどこか高貴(神聖)な印象も受ける。
但し管理面で言えば布は水分を含むため刀身との接地点が錆びやすい事や、地震の横揺れ時に刀身がスライドしやすく激しく落下する恐れがあるなど保管上のデメリットもある。
以下は以前名古屋大学さんと共同実験にて震度7クラスの地震を実験したものであるが、布での展示の方で激しく落下している様子が分かって頂けると思う。
但し美術館の展示ケースは免振構造であるし、湿度管理も徹底されている。
加えて年間で展示する期間も決まっているのでこれらのリスクは下がっているので現状の展示が駄目だというわけではない事は誤解しないで頂きたい。
私はこの理想形を追い求めて部屋に飾れる刀展示ケースを製作しているわけであるが、美術館の展示ケースのような「充分な余白」を自宅で再現するのはスペース的に流石に難しい。
出来る人は大富豪の家くらいだろう。
やはりどんな狭い部屋でも美術館のように刀を安全に綺麗に楽しめるような展示ケースを作りたい。
様々な環境の人(美術館に行かないような人達も)が刀を目にする機会を増やしたい。
その為にはケースをなるべく小さくコンパクトに作りつつも、先ほどの理想の展示である「充分な余白」をどこまで担保出来るか、このバランスに結構気を遣う。
その為ケースに刀を飾る際は余白をある程度(ケースと刀身の両脇10cm位)は開けて展示すると美しく展示出来るよう作っているつもりです。
理想の展示姿を追い求めて、これからも製作頑張ります。
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それでは皆様良き刀ライフを!
制作している展示ケースは綺麗に見せる事以前に保管面を気にして作っていますが、例えば地震対策については以下です。
上記はあくまで机上の空論でしたが、実際の耐震実験で震度7に耐える事が出来た様子が以下です↓
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑