マガジンのカバー画像

その他

974
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

刀装具の入札鑑定や紙上鑑定があってもよさそうな

刀装具の入札鑑定や紙上鑑定があってもよさそうな

ふと思ったのですが刀の入札鑑定は全国各地で開催されていますが、「刀装具の入札鑑定」、もしくは「紙上鑑定」ってないですよね。

鐔だと見える部分に銘があったり、目貫で裏に短冊銘が入っていたりするので入札鑑定となると使える刀装具がある程度選ばれてしまうというデメリットもありそうですが。
紙上鑑定であれば銘を隠せるので出来ない事もなさそうです。
ただ細部までは見れないので特徴やヒントなどを文章ベースで書

もっとみる
入札鑑定で本と睨めっこについて

入札鑑定で本と睨めっこについて

昔まだ支部に沢山人がいたころ、私自身も入札鑑定というものを始めたばかりの頃の話。
当時の支部では入札鑑定において持参した刀剣本を見ながら解答を書く人が多く少しの違和感を覚えたのを記憶している。
前半こそ刀の鑑賞で人が並ぶが、30分もすれば刀の前から殆ど誰もいなくなり、鑑賞している人は私含め2~3名程。
他の方は並んだ刀をあまり見ずに黙々と本と睨めっこをしている。

当時なぜ刀が目の前にあるのに大部

もっとみる
「真鍛作」について

「真鍛作」について

ふなっしーランド船橋本店さんで刀の展示替えがあったようです。
ふなっしーが愛刀家である事はいまや多くの人が知っている事かと思いますが、このお店ではふなっしーが普段愛でている愛刀を代わる代わる展示するという面白い試みがなされています。

そして今展示されているのは「肥前国出羽守行広 以真鍛作」の刀だそうです。

この刀工は面白い事に1650年には長崎を訪れ阿蘭陀(オランダ)鍛冶の久次と砲術家の薬師寺

もっとみる
身銭を切るという事について

身銭を切るという事について

以下の写真で刃文はどれでしょうか?

と聞かれたら、正確には分からない、という答えになるかと思います。
白く刃文のように見えている部分は研師の方による刃取りであり、実際の刃文は光に当てたときに浮き出るからです。

これは鑑賞の初歩的な知識としてご存じの方が大半かと思います。

しかし厄介なのが「繕い刃」と呼ばれるものでして…。
分かりやすく言えば刃文が意図的に描かれており、光にかざした時にも本当の

もっとみる
刀を買った後にする「マイ習慣」

刀を買った後にする「マイ習慣」

皆さんは刀を買って家に持ち帰ってきた後「○○をする」という習慣は何かありますか?
例えば刀を買った後は必ず神社でお祓いを受ける、という人がいました。

私はそこまではしませんが、刀を買った後は線香を1本炊き、一度打ち粉で刀身についた油をとり鑑賞した後、再度油を塗りまた取り除きます。
その後ケースに飾っています。

古い刀は人を斬っているかもしれませんし、短刀であれば切腹などにも使われているかもしれ

もっとみる
「刀座2024」いよいよ来週

「刀座2024」いよいよ来週

西の大刀剣市と言われる「刀座2024」がいよいよ来週末に迫りました。
出展社も公開されていましたので見てみます。
(最新の情報は必ず刀座公式サイトよりご確認ください。)

昨年36店舗→今年42店舗に拡大しています。
新規出展店舗は以下になります。
京都周辺のお店を中心に増えている模様です。
関東のお店でいうと「刀剣はせ川」さんと「慶長堂」さんが新規出展されるようです。

・新規出展店舗

個人的

もっとみる
もしも国宝や重文の刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら名刀が出来るのか?

もしも国宝や重文の刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら名刀が出来るのか?

国宝や重要文化財の名刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら一体どのような作品が出来上がるのか?
名刀が出来るのだろうか?

こんな疑問を持った事がある。
手元で毎日国宝や重要文化財の刀を鑑賞していたらそれこそ目が肥え審美眼が磨かれるに違いない。
古名刀の真の美しさを理解しているのは古名刀を長い時間をかけて見ているような人達、つまり国宝や重文の所有者はその内の1人に思うが、もともと美しい物を美し

もっとみる
「名古屋刀剣博物館(メーハク)」2024/5/1 会館!

「名古屋刀剣博物館(メーハク)」2024/5/1 会館!

「刀剣美術 令和六年三月号」によると、名古屋刀剣ワールドが遂に5/1にオープンするらしいです!

それに伴い開館日前に学芸員の方に事前案内頂けるプレミアムツアー(4/25〜4/26)なるものが用意されているとのこと!
さっそく東通トラベルさんのHPを探してみたところ以下の記載がありました。(※記事作成時点の画像なので最新版はリンク先からご確認ください)

4/25~4/26のバスツアーのようで、以

もっとみる
美術館収蔵の刀装具、細部が見たい

美術館収蔵の刀装具、細部が見たい

美術館収蔵品が素晴らしい事は言うまでもないが、どうも見えづらい。
見えづらいというよりも見たい部分が見えない。

例えば目貫であれば、大体3㎝程度の大きさしかない。
故にガラス越しから見ようとするとこんな感じになる。

スマホで撮影して拡大して見た方がよく見えることもある。

しかしそれでも構図がなんとか分かる程度で細部は見えることはない。
そしてそれ以上に側面や裏側はそもそも見えない。

優しい

もっとみる
出物獲得は早さと運と縁の勝負

出物獲得は早さと運と縁の勝負

名刀。
名品。
出物。
掘り出し物。

実際に「出物」や「掘り出し物」と呼ばれる物は安く買えるものを見つける事ではなく、良い物、良品、つまり名品を見つけ買えるような段階、状況にある事を指すような気がしますが、そうした物は足が早いというか自分よりも目利き力のある方がさっそうと さらっていくのでとにかく足が早く、そう機会が何度も訪れるわけではない、という特徴があります。

少し長めの「剣」を発見

少し長めの「剣」を発見

今日は神田で刀装具の勉強会があったので近くにある神田藤古堂さんを訪問しました。
少し前に以下の投稿を見ていた事もあり、古そうな刀装具が無いかなども少し気になっていたところです。

少し路地裏にあるお店ですが、「刀」の看板が出ているので比較的分かりやすいかと思います。

さっそく店内の刀装具類に目を通していくと、鉄味の良さそうな鐔が。

銀象嵌が残っている平田彦三(肥後)の松透かしの鉄鐔でした。

もっとみる
沖田総司の菊一文字は則宗ではなく、丹後守兼道あたりではないか

沖田総司の菊一文字は則宗ではなく、丹後守兼道あたりではないか

沖田総司が所有した刀は3つと伝えられています。
加州清光、大和守安定、菊一文字則宗。
加州清光は池田屋騒動の折に修復不可となり破棄されたと見られ、他の2振りもいまだ発見には至っていません。

今回は沖田総司の菊一文字則宗について個人的な見解を書いてみます。
因みに以下は「新選組血風録(1998)」より沖田総司が菊一文字則宗を拝領するシーン。

今見ると明らかな模造刀感に加え、本来の菊一文字則宗とは

もっとみる