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『疲れ』を△で説明してみる
Season3 Episode3 『疲れ』
△とは?
・自己複製子+階層構造+回路
・特技は「内部化」
・「流れ」をデザインする
❶疲労
身体の疲れ: 細胞フレームでは、エネルギー通貨であるATPの枯渇、活性酸素の増加、筋肉の損傷などが疲労の要因。臓器フレームでは、肝臓や腎臓などの解毒・代謝機能の低下、神経系の機能低下などが疲労を引き起こす。
心の疲れ: 脳内では、神経伝達物質(脳内ホルモン)の不足や過剰、神経回路の機能低下などが心の疲れの要因。
❷疲労感
疲労感は、身体や心の状態を知らせるシグナル。
・身体の疲労感: 筋肉の痛み、倦怠感、重だるさ、眠気など
・心の疲労感: 気力の低下、集中力の低下、イライラ、不安など
❸疲労と疲労感のズレ
疲労と疲労感は必ずしも一致しません。このズレは「回路」の故障や、薬物などによる阻害などにより起こる。
個人フレームでの回路故障: 例えば、自律神経系の乱れによって、疲労を感じにくくなる。仕事や勉強に集中するとき、アドレナリン等のホルモンの効果で一時的に疲労感を感じなくする。薬物やエナジードリンクによって、疲労の伝達を阻害してる場合。また、慢性的なストレスによって、疲労感に対する感受性が鈍くなる場合等がある。
組織フーレムでの回路故障: 職場など、周囲の環境や社会的プレッシャーによって、疲労を訴えにくい状況もある。この場合、組織側は疲労を意識できない。
このズレが長期化すると、△全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある。過労死やバーンアウトなどは、このズレが極端な形で現れた例と言える。
❹『疲れ』の△要素
( ʘ‿ʘ)とにかく△用語を使いまくってみるぞ
細胞の疲労:
自己複製子(DNA): 疲労によりDNAが損傷し、正確な複製ができなくなる。テロメアの短縮も加速される。
階層構造(オルガネラ): 核、ミトコンドリア、リボソーム、細胞膜など、様々なオルガネラ(細胞小器官)が存在し、階層構造を形成している。ミトコンドリアの機能低下でエネルギー不足に、リボソームの機能低下でタンパク質不足になる。
回路:エネルギー生成回路(解糖系、TCA回路など)の効率が低下すると、活性酸素が増加する。
内部化: ウイルスは、細胞の内部化機構を悪用することで、効率的に細胞内に侵入し感染を成立させ、細胞を疲弊させる。
流れ: 栄養の取り込みや老廃物の排出、エネルギーや情報の流れが滞ると、細胞内の環境が悪化する。
身体の疲労と心の状態:
自己複製子: 身体の細胞は自己複製を繰り返すが、疲労が蓄積すると、正常な複製が行われなくなり、機能低下につながる。心の状態も、過去の経験や学習(内部化)に基づいて自己複製(思考パターン、感情など)を繰り返すが、疲労によってネガティブな回路が強化されることがある。
階層構造: [細胞→組織→器官→個体]という階層構造があり、各階層で疲労の影響が現れる。心も[無意識→意識→自己]という階層構造を持ち、疲労によって各階層の連携が乱れる。
回路: 神経系、内分泌系、免疫系などが疲労に関わる回路です。心の状態も、脳内の神経回路や情報伝達回路によって影響を受ける。
内部化: 「頑張らなければならない」という規範が内部化されていると、疲労を無視して無理をしてしまう。
流れ: エネルギー代謝、情報、感情の流れなどが疲労によって滞る。
企業の制度疲労と経営者の認識:
自己複製子: 企業の制度やルールは、過去の成功体験(内部化)に基づいて従業員に複製されるが、環境の変化に対応できなくなると、制度疲労を引き起こす。
階層構造: 従業員→部署→部門→経営陣という階層構造があり、情報が適切に伝わらない場合がある。
回路: 情報伝達経路、意思決定プロセス、資金や資源の配分などが制度疲労に関わる回路。
内部化: 経営陣に「過去のやり方を変える必要はない」という認識が内部化されていると、変化に対応できなくなる。
流れ: 情報の流れ、お金の流れ、人材の流れなどが制度疲労によって滞る。
❺まとめ
Ⅰ.細胞の疲労
とある身体の細胞くん達が、ある日、悪いウイルスに感染されてしまいました。
エネルギー生産回路(ミトコンドリア)に異常をきたして、ATPの生成が滞り、活性酸素が増加、細胞膜の機能も低下し、情報伝達にもノイズが発生してしまいます。
「この伝達方法が最も効率的だ」「この反応パターンに従えば間違いない」という、過去の環境で有効だった情報処理のパターンをもとに、細胞くん達は仕事を頑張りつづけます。しかし、それはウイルスの侵入によって変化してしまった環境では、逆にウイルスの繁殖の手助けをしてまう結果となり、疲弊し次々と倒れていきました。( ˘ω˘)南無
Ⅱ.経営者の脳疲労
この細胞くん達は、実はある企業の経営者の脳細胞でした。
ウイルスに侵された脳細胞は、情報伝達の遅延、判断力の低下、集中力の散漫など、脳全体におよぶ「脳疲労」を起こしました。
経営者は本来であれば、現在の状況を分析し、適切な判断を下す役割を担っています。しかし、脳の機能不全によって、客観的な判断ができなくなっていました。特に、変化の兆候を捉える能力が著しく低下しており、現状維持バイアスが強まっていました。(; ˘ω˘)
Ⅲ.企業の末路
経営者の判断力の低下は、企業全体に影響を及ぼしはじめます。市場の変化、競合の動向、顧客のニーズなど、外部環境の変化に企業が対応できなくなっていきました。過去の成功体験に基づいたルールに縛られ、この会社は変化した環境についていけなくなっていきます。
情報の伝達も硬直化し、現場からの情報が、経営層に適切に伝わらない状態が続きました。社員、従業員たちは疲弊し、パワハラや、疲労感を無視し続けたことによる過労死も発生します。
結果、この企業は制度疲労MAXになり、業績は悪化の一途を辿りました。
しかし、経営者は、客観的な状況認識ができず、「今まで通りのやり方で必ず乗り越えられる。いま変えてはだめだ」という信念に固執し、抜本的な改革に踏み切ることができず、ほどなく倒産してしまいました。
(; ^o^)長くなりましたがまとめると、疲労感には敏感になるべき。