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春休み。

3月29日、前の会社を退職した。
理由としては前年末、体調を崩したことでその後の業務に支障をきたしたためなのだが、会社での伸び悩みからほのかに転職を考えようかと思った矢先の出来事でもあり、いい機会ではとそこまで後ろ向きに考えることは少なかった。

転職活動はトントン拍子に進んだ。
退社決定した2月から細々とエージェント経由での就活を進めたり、リモートワークの合間を縫ってオンライン面接を受けたりした結果、スムーズに4月から転職することは無理だったにせよ、退社時点で最終面接の予定を組む所までは進めることができた。今までの就活経験からもうちょっと長引くのではと思っていたのでなかなか拍子抜けではあった。

結果、離職後間もない4月10日からは内定をもらうことができた。
金融系の会社での事務業。前職に比べ大きく待遇も上がるし、何より限定職とはいえ正社員での無期雇用。手帳持ちにとっては安定した雇用形態なのはありがたい。体調さえなんとかなれば業種的にも長く働けるだろう。

勤務開始は5月1日。20日間は間が空く。
これだけ時間があればやりたいことが少しは進められるだろうか、と考えていたがなかなかそうもいかなかった。
夏コミに向けての原稿制作や参加している合同誌の寄稿はほとんど進められず、溜まっていた本や見ようとしていたアニメの消化も数冊ほどしかできていない。少しは通おうと思ったスポーツジムすら行くことができなかった。
ある日は乱雑に散らかっていた部屋を片付けて一日が終わり、またある日は実家に呼ばれPC面でのヘルプを頼まれ、別の日にはハローワークで何時間も待たされた挙げ句手当が少ないことに対して職員へ不平を述べたり(曰く申請前に内定が出てしまうと再就職手当が出ないらしい。これだけで何十万と損してしまっている)。気力が起こらず何することもできないまま夕方を迎えてしまう日も何日かはあった。
そんな日々を過ごしていくうちにもう入社、というところまで来てしまった。20日間は思った以上に早い。

この間やりたい事が何もできなかったわけではない。折を見てハマスタには何回か足を運んだし、前々から気になっていたTHE YELLOW MONKEYの東京ドーム公演(人生でも指折りのコンサート体験だったと思う)にも行けた。気分転換したいときには銭湯やサウナにも行ってリフレッシュすることはできた。
パーフェクトでないにせよ、少しは有意義に時間を使うことはできたとは思っている。

18日、雨の中駆けつけた筒香嘉智の日本復帰会見。
生まれた年月が同じでずっと追いかけていた選手。

最後となった30日、前職退社時に会社の同僚から靴磨きセットをもらったことを思い出した。新しい職場に赴く訳だしせっかくだからと使ってみると、自分の靴が思った以上に汚れていたこと、クリームを塗って磨くだけでこんなに綺麗になるのかと感心するとともに、今までの自分への反省が頭をよぎった。

磨いた後の靴。
磨くということがこんなに楽しいとは思わなかった。

いままで自分磨きや人生を変えるために努力をどこまでやっていたのか。
これから変えていける自信はあるのか。

そうした自問自答は今もまだ頭の中に残っている。

寝て起きたら新しい会社に行き、新しい机で新しい業務に取り組まなければならない。
不安はまだたくさんある。でも自分で決めた道である以上、少しでも前へ進んでいかなければならない。

29日、実家近くの公演でライトアップされていた桜の木。
すっかり花は散ってしまった。

最終面接の頃にはところどころで咲き始めていた東京の桜も、今になっては花びらは散ってしまい、緑の葉を残すばかりになった。

春休みが終わり、夏が始まる。
後悔しない夏にしていこう。

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