はじめてのプロボノ 体験記 ~ヒアリング実施編~
チームミーティング(作戦会議)
2018年10月2日
実はこの時、私自身が10月1日の人事異動で部署が変わるというビッグサプライズにより面食らっていましたが、とりあえず、すぐにはプロボノ活動に影響が出るわけではなさそうだったので、プロボノを継続することにしました。
この日は、前回の支援先団体とのキックオフミーティングを踏まえて、成果物であるチラシに掲載する内容の確認と、そのために必要な情報をステークホルダーへのヒアリングでいかに聞き出すかという作戦会議でした。
①スポーツをする障害者(生徒)向けではなく、その指導者向けの講習会を想定(ただし、いつ・どこで・どんな講習会をするかは未定)
②初心者からパラリンピックを目指す競技者までレベルが幅広く、さらに身体障害か精神障害かでもルールや指導方法が異なる
③技術的な講義(解説や実技)だけより、マインドセットのための講義(障害者との接し方や障害への理解など)も必要ではないか?
④そもそも講習会のニーズがあるのかどうかも分からない
⑤支援先団体の想定している講習会参加者(指導者)が実態と乖離があるかもしれない
「~登録・アサイン編~」でも書きましたが、今回のプロジェクトは、支援先の団体側に明確な課題や目的が定まっていなかったため、依頼内容もかなり漠然としたものでした。
これを少しでも明確にするために、メンバー全員で想像力をフル稼働させて様々な想定をし、かなり議論が膨らんだのですが、それでもなんとか解決の糸口を見つけようと必死にもがいたことが記憶に残っています。
上記以外にもいろいろな懸念事項が出てきましたが、すべて想像の域を出ないので、とにかくヒアリングしてみないと分からないということで、支援先団体から教えていただいたヒアリング対象者にMK(マーケッター)からアポを取ってみることにしました。
同時に、障害者スポーツを取り巻く関係団体が多く複雑だったため(団体名も似ているので混同しやすい)、その相関図(イメージ図)を作成することと、過去に実施された講習会の情報を収集するという宿題を私が担当することになりました。
他のMKは、議事録作成やヒアリングシートの作成などを分担しました。
ステークホルダーへのヒアリング
2018年10月上旬
宿題を進めつつ、ヒアリング対象者へメールでアポ取りを始めました。
私にとっては、このアポ取りとヒアリングが今回のプロジェクトの中で一番負荷がかかった場面でした。
なにせ10月中にはヒアリング結果をまとめて、11月には支援先団体へ最初の提案をするスケジュールになっていたので、あまりヒアリングの時間が取れないという状況でした。
加えて、第三者である私たちがステークホルダーにアポ取り&ヒアリングするためには、私たちプロボノチームが一体何者なのかという説明をしつつ、支援先団体に有益となる本音ベースの情報を聞き取らなければならない、ということで結構難易度の高いヒアリングだったと感じています。
しかしながら、このヒアリングこそが今回のプロジェクトの成否のカギを握っていた重要なフェーズでした。
私を含めたMK3人で、それぞれ1人ずつアポ取りをした結果、1人はヒアリングNGだったものの2人とアポが取れました。NGだった方の代わりに、新たなヒアリング候補者を支援先団体に提示してもらいなんとかアポを取り、そちらは10月13日に私以外のMK2名がヒアリングを実施しました。
2018年10月14日
午前(新宿)と午後(池袋)で同日に2人のステークホルダーのヒアリングを実施することになり、PM(プロジェクトマネージャー)・MK(私ともう1人)・GD(グラフィックデザイナー)で対応しました。
意外と苦労したのは、場所探しでした。
もちろん相手の都合に合わせて場所を探すのですが、相手もこちらもボランティアで活動しているため、仕事と違ってお互い自由に使える事務所や打合せスペースなどありませんので、カフェやコワーキングスペース、あるいは貸会議室などを必死で探しました。
カフェ
メリット:時間制限ない、気軽な雰囲気で話せる、場所のイメージしやすい
デメリット:混雑時など場所取りできない、周りが気になって話せない、テーブル狭い
貸会議室
メリット:確実に予約できる、周りを気にせず話せる、備品も揃っている
デメリット:硬い雰囲気になる、時間制限あり、場所のイメージ湧かない
これもせっかくの機会なので、両方試してみようということになり、午前(新宿)はカフェ、午後(池袋)は貸会議室でヒアリングしました。
カフェは事前に調べたおかげもあり、比較的分かりやすい場所で利用客も少なかったため、早めに席を確保しスタンバイできました。
相手の方もとても明るい人柄だったので、和やかな雰囲気で、しかも具体的な課題や実態などを本音ベースで話していただけたので、かなりのヒントを得たヒアリングでした。
さらには、新たなヒアリング候補の方をご紹介していただけるというプレゼント付きでした。
貸会議室は、場所は分かりにくいところでしたが、設備も整っていたので思っていたよりは硬い雰囲気にはならずにヒアリングできました。
しかしながら、休日の池袋の貸会議室は利用者が多く、次の利用者が控えていたため最後の方はじっくり話をすることはできませんでした。
それでも、会議室や駅までの移動中に雑談しながら本音を聞き出せたというメリットもありました。
予定外のヒアリングが先入観のない貴重な視点になった
2018年10月18日
新宿でヒアリングした方から紹介していただいた方には、PMと私がヒアリングすることになりました。この方は仕事が忙しいということで、業務後に勤務先へ訪問する形でヒアリングを実施しました。
ヒアリング対象者からの紹介で実現したので、当初予定には無く、しかも支援先団体を知らない方でした。
したがって、運よく支援先団体のイメージや障害者スポーツへの取り組みに対して、先入観の無いフラットな、しかも支援先団体や私たちが想定していなかった視点からのご意見も伺うことができたので、かなり貴重なヒアリングでした。
他にももう一人、支援先団体から紹介してもらった方に10月21日に私以外のMKとGDがヒアリングを実施しました。
かなりタイトなスケジュールでしたが、見事なチームプレーにより、なんとか10月中に5名の異なるステークホルダーのヒアリングを実施することができました。
つづく