「教える」って忍耐だ!!
育児と人材育成って共通項多いよねー
という前提のもと、
娘(4歳)が自転車に乗ることが出来た体験から、気づいた事をメモしておきます。
「知ってる」と「やってる」は別次元
「部下を育てるためにはある程度仕事を任せましょう」とか「任せたら口を出さないようにしましょう」とかとか、、、
職場の研修とか人材育成指南本とかでも“耳タコ“の話ですよね。
「うんうん、知ってる知ってる。今更だよねー。」
・・・ホントにそうでしょうか?
私もそう思っていましたが、
「知ってる」と「やってる」は別次元
・・・というのも耳タコですよね(笑)
でも、ホントにそうなんです!知ってるハズなのに、やってみると出来てない。
娘と自転車の練習をしていた時の事例です。
ストライダーには乗れていたので、補助輪なしで「バランスを取る」ことはできていました。(ストライダーとは、ペダルのついていない幼児用の二輪車のことです)
だから、すぐ乗れるようになるかなーと思っていたのですが、「ペダルを漕ぐ」という動作に慣れるまで、意外と時間がかかりました。
「バランスを取る」ことと「ペダルを漕ぐ」という2つの動作を同時にすることが難しいのだろうと思ったので、まずは細分化して一つずつ自信をつけていく作戦にしました。
①ストライダーと同じように蹴って進んだり、坂道を下ったりする
(ペダルは使わずバランスを取るだけ)
ストライダーと同じように乗れる!と自信をつける
②私が後輪を持ち上げて、その場でペダルを漕ぐ練習をする
「ペダルを漕ぐ」という動作に慣れる
③私が押したり坂道を下ったりした惰性でペダルを漕ぐ練習をする
停まった状態から漕ぎ出すのは難しいので、自信がついてから
作戦①は予想通りすぐクリアしたので、順調に②に移行、、、するハズが、坂道が楽しくて「もう1回やる!」の繰り返し。
さっさと次のステップに移行したい私はイライラ(苦笑)。
ようやく②や③の練習に移行しても、上手くできなくて娘もイライラ。
私なりにできない原因を考えて、手を変え品を変え、色々なやり方(練習)を試すものの、どれもうまくいかない。
娘も反発してお互いイライラ。。
「教えている」つもりが「口を出す」になっていませんか?
この時点で、私は過ちに気づいていませんでした。
娘の「楽しい!」を優先すべきところを、「娘が自転車に乗れるようになる」という自分の目的を優先させてしまっていたのです。
そうすると、①の練習を楽しんでいる娘を見て「遊んでばかりいないで早く練習しようよ」と思ったり、②③の練習でつまづく娘を見て、私なりのやり方や感覚、つまり【答え】を教えて「早く娘に成功体験をさせたい」と思ったり。
娘にとっては、一つ一つの練習をもっとたくさんして、自分なりに経験値を積みたかったのだと思いますが、私が次々に新しい指示を出すので頭がパニックになってしまったんでしょう。
私は娘に「教えている」つもりだったのですが、娘にとっては「口を出されている」状態だったのです。
私がもっと辛抱強くどーんと構えていれば良かったのですが、イライラが溜まっている状態ではそんな余裕もなく、、、。
「教える」よりも「問いかける」
反省した私は(笑)、私にとっての【答え】を教えるのをグッと我慢して、「なんで上手くいかなかったと思う?」と娘に聞いてみることにしました。
すると、娘なりに考えを言ってきます。
「そうか、じゃあ、どうしたらいいかな?」と一緒に考えるフリをしてあげたら、反発せずにチャレンジするようになりました。
私が教えていた【答え】は娘にしてみれば、難解な講義を聞かされているのと同じで、理解できず身にならないものだったんです。
娘にとっての【答え】は、自分で考えてやってみた経験、つまり自分自身の経験値から生み出された感覚でしかないのです。
だから、私がするべきことは【答え】を「教える」のではなく、娘が自分で考えるために「問いかける」ことだったのです。
結果として、私と同じ【答え】に辿り着くこともあれば、私とは違う娘なりの【答え】に辿り着くこともありますが、遠回りしながらも上達していて、「自転車に乗れるようになる」というゴールに向かっていることは確かでした。
最終的には、私は「せーのっ!」と言って背中を押すだけで、あとは自力で乗れるようになりました(笑)
愛しさと 寛容さと 我慢強さと
では、後輩や部下に教える時はどうでしょう?
子どもなら親に反発することもできますが、後輩(部下)が先輩(上司)に反発するのはちょっと難しいですよね。
きっと「まーた自論を展開してるよ、この人」とか思っても、その場は我慢して聞いているでしょう。
我慢すべきは教わる側ではなく教える側。
期限や形式を伝える、見本を見せるなど、明確な指示やゴールを示したら、しばらくは口を出さずに我慢する(任せる)。
時には「問いかけ」をして道案内する。
教える側に寛容さがあれば、教わる側は我慢せずに分からないことを聞けます。
こういう関係が築ければ、職場の人材育成におけるモヤモヤも少しは晴れるのではないでしょうか。
また、研修や講演などに行く場合も要注意ですね。
私もかつては、研修や講演などに行くと、すぐに【答え】を知りたがっていました。
今困っている問題や抱えている課題を解決する方法を手っ取り早く教えてもらいたい、と思って参加するのですが、大抵は期待外れに終わります。
そりゃあそうですよね、テストの問題じゃないので、大抵のことはそんな簡単に答えが見つかるものではありませんからね。
でも、かつての私は本気で講師や専門家の【答え】を聞きに行ってました(笑)
今は、【答え】よりも考え方やヒント、新しい気づきを得られることを期待して研修や講演、あるいは勉強会などに参加しています。
人材育成には、育てる相手を想う「愛しさ」と自分の気持ちに余裕を持つことから生まれる「寛容さ」と「我慢強さ」が必要なのかもしれないですね。
娘の自転車練習に端を発したメモでしたが、最後は着地がよく分からなくなってきたので(笑)、90年代のヒット曲「愛しさと せつなさと 心強さと」に無理矢理かけて誤魔化しました。
かたじけない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?