片平 優

ブランドプロデューサー。デザイン制作をしていたら、出産を機にブランドが赤ちゃんに見え、起業。魅力の発掘調査、ビジョン、尻たたき業等。インタビューと人間心理が大好きです https://baby-tokyo.com

片平 優

ブランドプロデューサー。デザイン制作をしていたら、出産を機にブランドが赤ちゃんに見え、起業。魅力の発掘調査、ビジョン、尻たたき業等。インタビューと人間心理が大好きです https://baby-tokyo.com

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本当に変な人の服は、普通。

今日はものすごいくだらない内容を書きます。 外見は鏡だと思います。何の鏡か。「歳をとると顔に出るよね」というのは生き様の話。表情に出るのはその人の覚悟。服装はその人の見られたい姿であり、願望そのものと感じます。 本当に変な人ほど、普通の服を着ています。これを私がいうと皆が驚きますが、事実です。何故なのか。簡単です。服装はその人の人となりではなく「どう見られたいか」の願望だからです。 白ふちのメガネをしている人が「変わっているね」と言われて嬉しそうにしているのを私は何度か

    • フグ刺しで泣いた話をします

      ときは2004年。当時、苦学生だった私は、時給の高さにひかれて、横浜の老舗料亭で「お座敷係」としてアルバイトをしていました。着物姿で、担当したお座敷をあの手この手で盛り上げるのが、お座敷係です。 こういった料亭では、日本料理のコースが出ます。お酒とともにいただくのを前提につくられた前菜や刺身、焼き物、煮物などが、美しい皿に美しく盛りつけられ、順番に出てきます。それらを提供するのも、お座敷係の仕事です。 この老舗料亭は、研修やオンボーディングは1秒もないサバイバル環境でした

      • 他人の運命を変える女

        大野幸子さんは、他人の運命を変える女です。 私は彼女を、ユッコさんと呼びます。初めて会ったのは、2020年のコロナ渦。当時ではじめのオンライン会議。とある会社のブランディングプロジェクトのメンバー同士として、私たちは出会いました。今でも、ユッコさんと初めて会ったときを覚えています。 そこに集まった10人以上のメンバーが、画面のなかでズラッと無機質に整列していました。小さな枠内におさまったユッコさんは、そこからオーラを放っていた記憶があります。相槌を打ったり、ニコニコと反応

        • 「飲めないんです」

          3年間、嘘をつき続けた話をします。 あれは19歳の夏。苦学生だった私は、料亭でアルバイトをはじめました。6月だったかな。 その料亭には、1階と2階にお座敷がありました。らん、桜、梅、竹、芙蓉と、日本人が古くから親しんできた植物の名前が、それぞれの部屋名です。 私の初出勤日は、らん。造船関係のお部屋でした。何も知らない私は、薄いピンクの着物を着せられ、NHKの連ドラの登場人物のような古風な髪型で、お座敷に出ます。 この職場は、自己紹介もオンボーディングも研修も1秒もなく

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        本当に変な人の服は、普通。

          パーティが苦手な女

          みなさん、パーティはお好きですか? 私は好きではありません。というか苦手です。 そんな私が、100人集まるパーティに呼ばれた話です。 「一日店長やるから、来てくれたら嬉しい」 と、キヌキヌから連絡がきました。 キヌキヌは、お仕事の友達。ビジネスプロデューサーとして、笑顔でちゃきちゃき場を仕切る人です。私は、大変お世話になっています。 キヌキヌの会なら、行く。二つ返事で参加を決めました。だって一日店長って、あれでしょう。20人も入ればいっぱいのお店を貸切にして、入れ替わり

          パーティが苦手な女

          記憶力さま

          私の記憶力さま。もう戻ってこないのでしょうか。 思えば小さい頃から、私はおおいに記憶力さまを頼りにしていました。頼りにしすぎたかもしれません。 小学校のとき、私は百人一首をまる覚えしました。クラスみんなが驚きましたね。覚えるだけで特別になれたので、私は楽しくてしょうがなかった。 高校では、荒業「出題範囲を直前にまる覚えする」でテストを乗り切りましたね。その節は世話になりました。またあの頃は、globe、宇多田ヒカル、SPEEDと、カラオケで歌詞を見ず歌えるまでになりまし

          記憶力さま

          文章には発信者の態度が透ける

          ある社長に「ブランドストーリーなんて、適当に書いちゃえばいいじゃないですか」と言われたことがある。 海外から輸入した商品を日本で売る、いわゆる輸入業を営む社長だった。すでにいくつかの生活用品・雑貨をヒットさせ、売上を立てていたようだ。「日本にない便利グッズを輸入し、日本で生活する人々の生活を豊かにするのが使命」とその人物は語る。実際に、彼が輸入した商品で生活がより豊かになった人もいるかもしれない。 私は、ある商品のプロモーション文章を書いてほしいと依頼された。その商品のク

          文章には発信者の態度が透ける

          お客さまの声(顧客深掘り調査)

          顧客深掘り調査サービスについて、お客さまの声をいただきました。ブランディングの定性調査が、企業活動にどのように役立つのかが伝わる内容なので、こちらで共有させてください。 お客さま情報 従業員満足度研究所株式会社(https://es-keiei.jp/) 代表取締役 藤原清道さま ご利用をご検討いただいた当時、どんな課題がありましたか?  現状でも、自社サービスのリピート率は高めで維持していましたので、一定程度顧客からの満足をいただいているという実感は持っていました。

          お客さまの声(顧客深掘り調査)

          新しい離婚のかたち

          離婚でモメる人は、例外なく自分の都合を押しつける。そういう人にとって、離婚は自分のためである。それを、相手に受け入れろといっても、無理な話。 「離婚は互いのためである」「あなたの価値観を考えるに、あなたの人生は離婚で好転するはず」「離婚したあとの、我らの理想の未来はこうである」これを相手に説明したのか?たいがい、しないよね。できないんだよ。自己中な人は、相手を見ていないから。自分のことばかり考えているから。離婚することで相手の人生がどうなるのか、そこまで思いやらない。という

          新しい離婚のかたち

          ブランディングって何?

          「あり方を決め、行動で裏づける」 私は、ブランディングをこのように捉えています。 まず、あり方。 自分がどうありたいか、どうあるべきかの自己認識と、他者からどう認識されるかの両方が混じりあって、あり方は決まります。俗にいう、アイデンティティですね。 アイデンティティを決めるときは、自分がどうありたいかが最初にくるように思います。 たとえば、誠実な人物でありたいとします。誠実な人物は、その時点で誠実ならまわりからそう認識されているはずです。いま認識されていなくても、これか

          ブランディングって何?

          燃え尽きないためのお仕事サバイバル小技

          みんな、自分なりのサバイバル小技を持っていると思う。起業7年めの私も、自己流のサバイバル小技を開発中。その中から2つを、ここに記しておく。誰かの参考になれば。ちなみにこれは、必殺技ではない。小技ね。 前提として私の場合、独立5年目以降にサバイバル術が必要になった。 独立当初は良い。まず、準備してはじめたため、精神と身体がピンピンしている。 はじめてディズニーランドに行くという時に、財布が空っぽで寝不足で行く人は稀だろう。事前に心がまえをし、準備をして、前日はよく寝て元

          燃え尽きないためのお仕事サバイバル小技

          親切の、すれ違い

          一定数「話が通じない」人はいて、その場合はたいがいが向こうもこちらのことを「話が通じない」と思っています。 たとえば、よく知らない人から「このお菓子あげます。おいしいですよ。いま食べてください」と言われたとします。それを受け取らない理由はたくさんあります。たとえば、よく知らない人からもらったものを食べたくない。今はお腹が空いていない。そもそも甘いものが好きではない など。 これらのどれを伝えたとしても、私の思う話の通じない人は「せっかく人が良かれと思ってあげたのに」と残念

          親切の、すれ違い

          どうなる?孤独感!

          孤独感と、向き合っています。 孤独感と向き合うのは、私だけではないはずです。乱暴にいえば、世界中にいる人間全員の人生の課題だからです。心理学者のエーリッヒフロムは『愛するということ』のなかで「人間が生きるうえでの最大の課題は、孤独感をいかに減らすかである」と明言しています。 どう減らすかは大事なことで、それは追って考えるとして。私は今日は、この「孤独感をどう減らすか」という表現と向き合ってみようと思います。孤独感をどうこうしたあとの状態が魅力的に感じられないと、みんなこの

          どうなる?孤独感!

          出産とアイデンティティ

          暗黒期がある。30歳、はじめて妊娠と出産を経験し、キャリアが止まったときだ。 妊娠する前の私は、何者かでありたかった。 ”人と違う自分”が、その当時にほしかったアイデンティティであり、自尊心の出どころである。自尊心とは、辞書によると、自分を優秀な者だと思う気持ち。プライド。 人と違う自分でありたい。代えのきく存在になりたくない。と、魂が叫んでいる。私にとって、その自尊心の出どころは、仕事だった。 その頃、激務の広告デザイン会社で働いていた。人と違う特殊な環境に自分を置き、

          出産とアイデンティティ

          電気がつかない

          自宅のある一室の、電気がつかないことに気がついた。 通称、社長室。二箇所のスイッチをオンオフしてみる。どちらも反応がない。断線している。 仕方がないので、キャンドルをともしてみた。 一つは、Diptyqueのキャンドル。2年前この場所に、仕事と自宅が合わさった拠点をかまえたとき、先輩のクリエイターが持ってきてくれた。ファッションディレクターとして活躍するU氏。フラッと遊びにきたときに、これをさりげなく置いていったのを覚えている。 もう一つは、蝋燭職人チエミサラさんのキ

          電気がつかない

          家業の柱をつくる新規事業

          日光のクラフトビール THE NIKKO MONKEYS、ブランドオーナー鶴巻さんと、東京でお会いできました。5年前に、私がブランドプロデュースを任されたブランド。コロナを乗り切り、海外展開や工場増設など徐々に確実に成長しているとのこと。 このブランドの表現コンセプトは、「ジャケ買いされるクラフトビール」です。 ブランドオーナー鶴巻さんは、このビール事業を「日光に人を呼ぶ」ためにはじめました。日光で100年つづく観光土産屋に生まれ、日光という地域に人生かけて貢献していこうと

          家業の柱をつくる新規事業