見出し画像

虚無僧の射的人形@町田天満宮がらくた骨董市

毎月一日に行われている東京都町田市にある町田天満宮がらくた骨董市に行ってきました。


日の出から夕方まで、だそう。
先に鳥居が見えます。



鳥居のまえからけっこうな賑わいです。


2月1日は梅がすこ〜し咲いておりました🌸
来月1日は満開ですかねぇ。



そして、あれこれ物色していたら、見つけました♡

虚無僧の置物。

三味線持った女性と一緒。
後ろ姿。
「上」の刻印。

底とてっぺんには型で取ったような横線がついています。
すっかり着色が剥がれていますが、金色も少し残っているので、着物に柄模様があったのだと想像します。


これがお土産なのか何なのか分からず持ち帰り、そういえば、法身寺の山田文庫所蔵品に絶対あるだろうと、『虚無僧研究会創立30周年記念誌』を見てみたら、ありましたありました。

射的人形」とのこと。

同じものたくさん笑。

京都で作られたものだそう。

大正時代から昭和初期くらいまで作られていたそうな(ネット情報)。


はて、
この虚無僧の隣の、鳥追い笠を被り三味線持った女性は誰でしょう?
早速、尺八研究家の神田可遊師に伺いました。(神田師も射的人形はたくさん持っていらっしゃるそうです笑)

小栗風葉の小説『恋慕流し』に登場する人物とのこと。


小説によると、虚無僧の秦純之介はたじゅんのすけと葉子。純之介は当時の琴古流の立花霞洞門下であるという設定。

表紙
国立国会図書館所蔵

カラーでないのが残念…。

国立国会図書館所蔵
国立国会図書館所蔵

「恋慕流」の楽譜付き。


小説の内容については、いづれの機会に…。


小説の口絵になっているのが、水野年方のこちらの浮世絵。

名古屋の虚無僧こと牧原一路師より
お譲り頂いたもの。


小栗風葉の小説『恋慕流し』の口絵とは知らず、私の中でようやく繋がりました。


それにしても虚無僧カッコよすぎ。

拡大

まるで墨絵のように繊細な版画です。

尺八は継管なんだ!?という驚きも。



浮世絵師水野年方みずのとしかたとは、

水野年方 みずのとしかた (1866―1908)
 日本画家。東京に生まれる。通称粂次郎(くめじろう)。浮世絵歌川(うたがわ)派の月岡(つきおか)(大蘇(たいそ))芳年(よしとし)に錦絵(にしきえ)、渡辺省亭(しょうてい)に花鳥画を学ぶ。明治期風俗版画の代表的作者で、かたわら『やまと新聞』『文章世界』などに口絵や挿絵を描き、福地桜痴(ふくちおうち)の『天竺徳兵衛(てんじくとくべえ)』、樋口一葉(ひぐちいちよう)『うもれ木』などの挿絵も手がけた。日本美術協会、青年絵画協会のほか、1898年(明治31)には日本画会評議員となり、同年の日本美術院創立には賛助会員として参加した。歴史画をよくし、代表作に『佐藤忠信参館図(ただのぶさんかんず)』『勾当内侍(こうとうのないし)』などがある。門下から鏑木清方(かぶらききよかた)、池田輝方(てるかた)、池田蕉園(しょうえん)ら風俗・美人画の名手が輩出した。 [二階堂充]

日本大百科全書(ニッポニカ)


太田記念美術館さんのnoteにもあります↓



今でもお祭りや初詣なんかの出店で射的ありますね。大正時代の頃の射的人形は、その頃流行っていた歌舞伎役者であったりするようです。

最近の景品は何なのでしょうね。



そう言えば、岐阜県高山市の飲屋街(屋台村)に射的場あります。


ついでに、国分寺通りには半弓道もあります。



射的の的を見れば、最近の流行りのものが分かるかもしれない!今度じっくり見てみようかと思います🎯


骨董市でたまたま見つけた虚無僧の射的人形でした♪



こちらは富岡八幡宮と、調布の布多天神社の骨董市のお話↓


いいなと思ったら応援しよう!

kataha
古典本曲普及の為に、日々尺八史探究と地道な虚無僧活動をしております。辻立ちコム活に投げ銭チップしていただけたら嬉しいです🙇