尺八とジェンダーギャップ🌈
某駅前にて。
一曲吹き終わり、編み笠を上げて見やると、今風の可愛いセーラー服を来た女子中学生が私の横に立ち、パチパチ手を叩いてくれていた。
「綺麗な音がするな〜と思って・・・」
あら嬉しい❤️
「2年前も尺八吹いているのを見ました」とのこと。
おお、覚えててくれてたの、ありがとう❤️
また会えたなら偶然だねぇ。
「この長い棒は何ですか？」
ああ、このつっかい棒ね。前も、お父さんが尺八奏者という女の子に質問された。子どもはよく見ている。
楽器の一部かと思われるかも知れないので、これはただのつっかい棒だと説明する。私はひどい腱鞘炎なのでこのつっかい棒がないとすぐ疲れてしまい、尺八をずっと持っていられないのだ。
竹製。
もちろんこんなの売ってないからハンドメイド。
伸縮可能。
お腹のところに一点で止めるためゴム製の滑り止め付き（よくズレるけど）。
私のいつも路上で吹いている尺八は約320グラムだが、ずっと持っていると利き手の親指にかかる負担は大きい。辻立ちには少しでも軽い方が有り難い。私の師匠が作った尺八は、根っこのゴツゴツした部分を綺麗に取ってあるので、その分多少は軽い。
あの、根っこのギザギザした部分を残したままの尺八は、衣服に引っかかるし、持ち歩きに邪魔になるし、何かと不便だ。中継ぎのある完全な地有りだったりするとさらに重いだろう。民謡尺八奏者の人はすごいと思う。
やっぱり体力がいるので尺八も男性が向いていると言わざるを得ない。
きっと今は軽い尺八も開発されているのでしょうから男女の問題はいずれ無くなるとは思いますが。
さて、その少女に、自己紹介のチラシを渡したら、
「前も貰いました。」とのこと。
あら💦 2年前なら、和芸つれづれのころのチラシかな〜。
また声かけてねー👋 なんてお別れした。
古典本曲に反応してくれる若い子がいるのは、ことのほか嬉しい。
しかも年頃の女の子は、そうそう大人に声をかけてはくれない。
彼女が言う、綺麗な音というのは、高音の音だろう。
雑音が沢山ある路上でよく聞えるのはやはり高かい音だ。
普化禅師が鐸（鈴）を鳴らしていたのに習って、弟子を願い出た張伯は尺八にその音を写したというのだから、その鐸の音もきっと綺麗な音だったと思う。
それに近づきたい一心である。
また別の日、
プール帰りと思える小学生くらいの女の子が、また私の横でじーっと私を見ていた。微動だにしないでいたのでこっちが心配になるくらいだった。何か声をかけたほうが良いのかなとか。よっぽどこの風体が珍しかったのか、何なのか。
ちょうどその時、たまたま通りすがりのご婦人が偈箱にチャリンと入れてくれた。彼女の中には尺八を駅前で吹くコムジョ像が焼き付いたかもしれない。
納得したのか、その後その少女は立ち去って行った。
最近、若い女性が気がついて反応してくれることが少し増えた気もする。
これも嬉しい。
ついでに、尺八に興味を持ってくれたらものすごく嬉しい。
それを期待しすぎているのだが…。
この格好では無理かも知れないと自覚しつつ。
ただし、最近女性尺八奏者が増えているとのこと。
一説には「男はもう尺八では食えないから」だそうだ。
あらら〜💦
ん、ちょっと待って。
女は食えんでもええんかい!!!
…と突っ込みたくなるが、
ま、それは音楽大学などでプロを目指す人の話だろう。
一般に趣味として嗜みとして尺八を吹く人の推移は今現在、どうなのでしょう。外曲（古典本曲以外の曲）を好んで演奏する女性は結構いると聞きくが、結構ってどれくらいなのだろうか。狭い世界にいる私には分からない。
海外に目を向けると、ヨーロッパ尺八協会においても女性は大勢いるようだが、果たして日本でも通用する尺八奏者なのかというと、全く分からない。中国でも尺八愛好者は増えているようだが、やはり男性の方が多い気がする。
ここで改めて見てみると、日本には腕の立つ尺八奏者が海外にくらべると断然多い。もっともっと彼らの活躍の場が増えることを祈るばかり。
いかにも、勿体ない。
虚無僧に関して欲を言えば、男女関係ないジェンダーレスになったらいい。ちょうど室町時代の頃の薦僧たちや、さらにもっとまえの暮露ように、格好も好きな着物で。
さて、ジェンダーの話が出てきたので、ついでに日本のジェンダーギャップ指数について。
男女の「社会的・文化的な格差」。
2021年の日本の順位は156か国中120位。（前回は153か国中121位）。
先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果だそうな。
特に、「経済」及び「政治」における順位が最悪。
「経済」の順位は156か国中117位（前回は115位）、
「政治」の順位は156か国中147位（前回は144位）。
前回より落ちてる😱！
この指数って、いかに日本は見た目重視かということを如実に表しているのではないだろうか。
そしていまだに、夫婦同姓を強制する法律のある日本。結婚したら女性が苗字を変えなければいけない風潮。それを日本の伝統だとか言っている団体がある政党が今の与党。
名前って、ものすごく重要だということは誰でも知っているはず。
それを自分で選択出来ないとは何て不幸なんでしょう。
日本の伝統と言うなら、瀕死の状態の日本の文化芸能を何とかしてほしいものだとつくづく思う。
明日は選挙です♪
男女差別に限らず、全ての差別をしない、ジェンダー平等を実現してくれる政党・候補者を、私は選びますよ❤️
古典本曲普及の為に、日々尺八史探究と地道な虚無僧活動をしております。サポートしていただけたら嬉しいです🙇