辻立ちを排除された駅に、暫くしてからまた辻立ちに行ってみる。
雨降りは虚無僧ができる場所が限られるのである。
なので、以前警備員さんに排除された場所にもう一度行ってみたりする。
性懲りもなく。
何度も行っていたけど、ある日突然警備員さんがやって来て「ここは禁止です」なんて言われたりする。
しかしながら、こちらにとって良い場所というのがあるのだ。
何故良い場所かというと、その雨降りでも出来る屋根がある場所ということ。そして下校の子どもたちが大勢通るのだ。
子どもの頃に、虚無僧と尺八の音を、見たり聞いたりしてもらうことが重要なのではと勝手に思っている。
ま、集団で高校生も大勢通るので、屋根に反響した喧噪で何も聞えてないかも知れないけど。
ところで、
今朝は随分世話になっていた知人が闘病の為入院したと共通の知人から連絡があり、ステージ4だとか聞いてガックリきていた。
彼女が沢山の友人や家族の世話をするのを見ていた私は、彼女が入院したら次は私が世話をしてあげる番だ!なんて思っていたけど、いざステージ4なんてことになったら私などが介入する隙などなく、ただ今の医療の力と本人の回復力に頼るのみ。
私はただ祈るのみ。
そんなこんなで心の中で(頑張れー)なんて祈りながら吹いていたら、とある若い男性が「頑張ってください」なんて声をかけてくださった。
こっちが泣けてきてしまった。
情けない。
いや、年齢的に年上の人が最近逝ってしまうのも、心に堪える今日この頃。
厭な年齢になってきたもんだ。
またしばらくして、
「さっちゃん」
なんて私の名前を呼ぶ声が。
(私、本名さっちゃんです)
おお、なんと昨日入院した親しい知人の共通する知人。
なんと偶然。
呼び寄せられましたか。
こんなことあるんですね。
お互い彼女を心配しつつ、久しぶりにお会いした知人の男性の近況も聞きつつ、お別れした。
偶然ってあるもんだ。彼も尺八をやっていて今は人間国宝山口五郎にハマっているとのこと。山口五郎氏がいかに素晴らしい演奏家を私に力説していた。東京芸大で尺八を教えていたから日本全国の吹き方は山口五郎が基本なんです、なんて話していましたが一体何年前の話なんだろう・・・なんて思いつつ、また演奏をはじめたら、目の前を警備員さんが通っていくではありませんか。
あ、やって来ましたね。
向こう側の自転車をチェックしている。
次はきっとこっちだな。
ま、来るまで吹いてよ。
なんて思っていたら、あっちに行ってしまうではないですか。
なんだ、人によるんだ。
前回の警備員さんには、ここで演奏する許可は取ったのかと聞かれたので、それはどこで取れるのか聞いたら、ネットで探せるかも知れないけど知らない。と訳の分からない答えで、突っ込んで聞いても、しどろもどろになって可哀想になってしまった。
夕方になるとここに来る、迷惑防止監視員の人には私は嫌われていて、野良犬同然な扱いで「しっしっ」とやられていたので、恐らくその人からここの警備員に通報があったのでしょう。
尺八の音や虚無僧が全ての人に受け入れられていると思ってはならない。嫌いな人だっているかも知れないので、謙虚にいきたいと思う。
以前、ころな始まった頃「自粛警察」の男性に絡まれた時は、古典尺八の窮状を訴えたら次第に態度が変わって、後半は尺八に関する質問になったものだ。今度から、排除に来た警備員さんには、引き際にあなたも是非尺八やりませんかと勧誘してみようとひそかに思っている。
お巡りさんが排除に来るのは、苦情の通報があったためなのですぐに止めなければいけないが、そこの敷地内の商業施設の警備員、もしくは駅員さんなどは、「規則」だからという理由で、「邪魔」とか「迷惑」になっていなくても排除される。
話は大きくなるが、一体この地球上、なぜ誰かが所有できるようになってしまったのだろうか。
人間だけの物ではない。
どこの都市もかつては広大に自然が広がり、多くの動物達が住んでいたし生きていた。
何故、人間だけが所有できるのか。
そして、何故、国が。
人間は何千年も前からずっと領土争いによる戦争をしている。
隣人と仲良く出来ないのは、人間も野生の一部だからなのか。
それにしても愚かだ。
若い頃は、人間なんて破滅してしまえば良いと思っていたが、今人間が破滅してしまっては核の問題など、管理し続けていかなければ、今度は地球が破滅してしまうような訳の分からないものを沢山作ってしまっている。
まったく、祈りが何かになるのか?
いかんいかん、
ちょっと気が遠くなるのでこの辺にしておこう。
身近な人だけでも大切にしよう。
それが一番❤️
古典本曲普及の為に、日々尺八史探究と地道な虚無僧活動をしております。サポートしていただけたら嬉しいです🙇