多磨霊園『探墓行』☆黒沢琴古〜川瀬順輔〜宮川如山☆尺八奏者の墓巡り👣
多磨霊園は、東京都府中市と小金井市にまたがって所在する都立の霊園。日本初の公園墓地で、面積は都立霊園としては最大の128ha、東京ドーム27個分に相当するそうな。
色々な木々が植えられ、桜や紅葉が楽しめます。
そんな広大な都立霊園に、偉大なる尺八奏者たちの墓碑がある。
まずは黒沢琴古、初代からの黒沢家の墓。そしてその流れから琴古流の荒木竹翁の弟子である初代川瀬順輔からの川瀬家の墓。そしてあの「阿字観」の宮川如山。
今回は古典尺八楽愛好会企画で、その三つのお墓と、尺八や音楽、芸術に関連する偉人たちの献奏墓巡り『探墓行』を行いました。
古典尺八楽愛好会フルメンバー7名+1名と、尺八研究家の神田可遊師もご参加下さいました。合計9名。
まずは、正門から入ってすぐの納骨堂「みたま堂」へ。
逆プリン型の建物が特徴的。建物の中はなんともいえない不思議な雰囲気の納骨堂です。
誰も居ないということで、早速みんなで「調子」の献笛をさせて頂きました。
そして、
一番最初は黒沢琴古の墓へ。
…と、途中に
川合玉堂のお墓
玉堂の描いた海童道祖が尺八を吹く絵が、都内の玉堂美術館に所蔵されております。
黒沢琴古代々の墓
以前は、東京四谷の臨済宗・瑞鶏山 祥山寺(新宿区若葉)に墓があったそうですが、多磨霊園に改葬されたそうです。
墓誌
初代琴古、幸八から名前が刻まれております。八代琴古が平成16年没です。続いているんですね。
ここで「調子」を献奏。
そして、神田可遊師が琴古にまつわる尺八をご持参下さり一緒に「呼竹・受竹」を献奏させて頂きました。
長崎松壽軒の虚無僧一計の尺八で、初代黒沢琴古の元に届き位牌にもなっている尺八と、三代目琴古作の尺八です。
琴古作の尺八!息を入れさせていただきました🙏
そんなわけで只今、古典尺八楽愛好会のミニ講座では琴古の歴史を連続してやっております。
次は、
川瀬順輔代々の墓
台東区谷中の臨済宗、全生庵にも川瀬家のお墓があります。二代目の三十三回忌にあたり、分骨したそうです。
こちらでは「一二三調」を献奏。
全生庵の川瀬家のお墓のことはこちらにあります↓
墓誌
お次ぎは、
宮川如山の墓
宮沢家先祖代々之霊位となっています。これを探し出したのが谷派の高橋虚白師の弟子、故山田悠氏。
虚無僧研究会機関誌『一音成仏』に掲載されたので、私も知ることが出来ました。
11月22日が如山の命日です。
一同で「大和調子」を献奏。
続いて神田可遊師が、高橋空山作の竹で「阿字観」を献奏してくださいました。
そして、
中川晋平の墓
ここでは「シャボン玉」を献奏。
「ゴンドラの唄」も作曲していますね。
途中、
北原白秋のお墓も。
ここではたくさんの曲が献奏できそうです。
最後に、
吉川英治の墓
皆さんご存知『鳴門秘帖』『虚無僧系図」などでおなじみです。
「紫鈴法」を献奏しました。
少し時間があったので、ちょっと寄り道。
岡本太郎、一平、かの子さんのお墓へ。
岡本一平氏が虚無僧の挿絵を描いています。
さて、以上で多磨霊園『探墓行』終わりです。
黒沢琴古、川瀬順輔、宮川如山と、尺八界重要人物三名&一家の墓碑が集っている多磨霊園。
電車の乗り継ぎ無しで、公園内を回ってしかも、近所迷惑を考えずに尺八献奏ができる多磨霊園。
尺八愛好家の皆さんも是非是非♪
ただし、蚊出現する時期は控えたほうが無難です。なにせ、尺八吹いているときは両手が塞がっていますからね。
ちなみに11月でも蚊はいましたョ汗
生き物がたくさんいる霊園。
それはそれで自分たちも生きていることを実感させてくれます。
なにはともあれ、生きているうちに、先人たちに感謝を込めて献奏『探墓行』に参りましょう♪