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【ハイファンタジー小説】復讐の女神ネフィアル 第6作目『ため息の響く丘』 第9話
マガジンにまとめてあります。
ここは《死者の街》だ。アルトゥールはリーシアンを連れてここに来た。
「俺もその宝石柱を見たかったな」
「いや、間違いなくお前は見ない方がいい」
アルトゥールの物言いは皮肉げだが、口元には皮肉げでもない笑みが浮かんでいた。
《死者の街》は青い色に満たされている。古来、青は死者を弔(とむら)うための色とされてきた。不吉な色ではない。永遠の安らぎの色だ。
青いねじれた木々と草むらが街中を埋め尽くす。大木のうろの中にかつての人の住処がある。草むらの中にも。背の高い青い草が歪(いびつ)な円錐形に編まれて、死者の家となっている。
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