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【宣伝CM】その男はサイコパス【有料サスペンス小説】


 サイコパス。共感能力を欠き、それ故に冷徹な判断が出来る精神的特質を持つ。その中でも知能の高い者には、社会的に高い地位に就き、人並外れた成功をつかむ者がいる。
 外科医や警察官、軍人など、社会や国家に必要欠くべからざる職業にも適性の高い者が多い。

 ここに一人、若いサイコパスがいる。
 名尾町知也(なおまち ともや)。28歳。


「あんたは何もしようとしないし、できもしなかった。あの時も、今も」
 冷淡そのものの知也の言に、泉はいきり立つ。
「あなたは何も感じないんですか? あれだけのことを見ていて、本当に何も?!」

 泉の態度には、怒りだけでなく大きな疑念が感じられた。目の前に立つこの男は、本当に人の心を持っているのだろうか、と。そう思っているのだろう。

「あんたはきゃいきゃい騒ぐだけで本当に必要なことは何もしようとしない。今必要なことは少女を病院に運ぶか、医者をここに連れてくるかだ。あんたにそれができるのか? 本気で助ける気があるのか?」

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「なるほどな、自他境界不明瞭ってやつか。自分が善意でしたことだから、当然相手もそう受け取るはずだ、と。人と人との間には、誤解や、元々の考え方の違いがあるかも知れないとは思ってもみない。これは生まれつきじゃない。育ちのせいだ」
 知也はここで一息つく。
「だけど俺には関係ない。あんたがそうするなら、俺は然るべき対応をする」

 神田の前に冷然とした態度で立つ。静かに一言。
「聞かせてもらいますよ、神田さん。なぜそんなことをするんですか?」
 神田は心底驚いたようだった。自他境界が明確でないのは彼自身のせいだけではない。生まれつきの性向と、後天的な育ちや環境のせいが大半だ。知也は容赦しなかった。

 とは言え。彼の態度は冷静そのもの。不必要な非難は一切ない。それでも神田には、それなりの精神的動揺を与えるのは分かり切っていた。
 たが、それでもやる。

「はい、質問されただけで動揺しないでくださいね。俺はいいけど、他の人にあんたが与えた精神的被害はとてもこんなものではないんですから」


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 若きサイコパスが解決する数々の難事件。あなたは善悪の彼岸を見る。




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片桐 秋
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