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ピーテル・パウル・ルーベンス / メトロポリタン美術館
復讐の女神ネフィアル 第3作目『美女トリアンテの肖像』 第5話
魔女ルードラは屋敷の中にはすでにいなかった。太い杖に横座りに乗って宙を飛んでいた。杖は切り落としたばかりの木の枝のようで、まだ緑の葉が何枚も生えていた。アルトゥールたちは、まだ魔女に気が付かない。
真っ赤に紅(べに)を塗った唇を曲げて魔女は嗤(わら)う。
「あはは、愚か者どもが」
ルードラの容姿は美しかった。ただの美貌ではない。白い肌、金色の目、濃い紫の髮。魔力的な美貌である。一目見ただけで、大抵の人間は魂の芯をも吸い込まれそうになる。
「先ずは小手調べとしよう。行け、我がしもべたち」
ルードラは蝙蝠(こうもり)の群れに命じた。彼らは近くの洞窟から来た普通の蝙蝠であるが、今はルードラによって特別な魔力を付与されていた。
蝙蝠は急降下して、ルードラの庭園に入り込んだ侵入者に襲い掛かる。三人の侵入者たちに。
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