復讐の女神ネフィアル 第4作目 『孤島の怨霊』 第5話(最終話)
三人は、はしごを上ってさらに上の階に出た。
そこもまた、見事な風景であった。
三人は、山の上にあって天高く流れる星の川を見上げていた。煌(きら)めく星々の夜空はどこまでも澄み切っていて高く高く。
「美しい」
思わずアルトゥールも声を上げた。そんなに大きな声ではない。
「凄えな。これも幻、なのか」
「ああ、おそらくは」
二人とも感心して見上げながらも、警戒は怠(おこた)らない。
「私が杖で探りながら歩きます。後から付いてきてください」
クレアは二人に言った。
ここは暗い。暗闇に星の光のみ。同時に、ここは明るい。闇の中ゆえに星の光が際立つ。三人が離れ離れになれば姿が見えなくなるだろう。クレアはそう考えたので、アルトゥールにも付いてきてくれるように言ったのである。
クレアは前に立って歩き出した。背後からリーシアンとアルトゥールが続く。二人はクレアの後を横に並んで進んだ。
クレアは杖の先で床を叩(たた)き、左右に大きく振りながら歩く。奥まで進んだ。アルトゥールの体感では、仮に下の階と同じ大きさならすでに真ん中まで来た頃合いと思われた。
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