野球漫画の『ダイヤのA』無料公開分を読んで
Wikipediaによる説明はこちら。
現在、マガポケで5巻分のみ無料公開中である。この機会に読んでみた。
高校野球を主題にした漫画で、主人公は強豪校にスポーツ入学し、エースピッチャーを目指す。5巻分までではまだ下積みの状態が続くが、不思議と先を読ませる魅力がある。
主人公の沢村が非常に前向きで明るく、感情表現豊かで、ジャンルとしては基本的にはスポ根物ではあるが、悲壮感や追い詰められたようなギリギリの緊張感はない。
作品全体の基調として、コメディ要素が強い。それはシリアスな展開の合間の息抜きと言うよりは、シリアスなシーンとコメディ要素が半々くらいの塩梅になっていると思う。
だから、主人公が早く勝ち上がっていかなくても、過度なストレスにはならない。
個人的に、あまり気になる点がなく、突っ込みを入れずに読むことができた。私の個人的な感覚に合っている面が多いということになるのだろう。
ちなみに『進撃の巨人』も個人的な感覚に合っているようである(草
序盤の5巻分は00年代半ば頃に描かれたものらしい。見ると、何となくその時の雰囲気を思い出す。とは言え、時代が比較的近いせいか、気になるような点はあまりない。
野球漫画というと、私にとっては長らく70年代チャンピオン誌の『ドカベン』だったのだが。
あの時代、割と現実の高校野球でもエースが9回まで一人で投げ抜く試合が多かった。延長線になっても続投させていたと思う。真夏の甲子園、炎天下のマウンド上でも。
そんな時代に描かれたフィクションのエースピッチャーは、当然にあらゆる苦難に耐えて一人で投げ抜き、バッテリーと言えばエースピッチャーと正捕手しかないのだが。
平成半ばの00年代は、もうそんな時代ではなく、何人かのピッチャーをそろえて、交代させるやり方になっていた。
しかしその中でも、特にエースと呼ばれる特別な立場を主人公は他のピッチャーと争うことになる、のだろう。
で、主人公の沢村と、同じチームのライバルピッチャーの降谷は、それぞれかなりの資質はあるが、投球にかなりのクセがあり、そんな彼らを導き受けとめるのが、優秀なキャッチャーの役割となる。
作中で重要な役割を果たすのは、クリスと御幸の二人で、主人公はピッチャーだけれども、キャッチャーがいかにクセのあるピッチャーの良さを最大限引き出し、守備の要となるかの物語でもあるように読めた。
そんなわけで、できれば続きを読んでみようと思う。2022年まで連載が続いた、これもかなりのロングセラーであり、アニメ化もされたヒット作でもある。
それだけの良さはある、と思う。
それでは今回はここまで。
読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。