『魔女と野獣』原作漫画の第6話の感想
死霊魔術師のファノーラが出てくる回である。魔術に関する事なら何でも対応するという一方で、悪名高き一面もある魔響教団。主人公ギドと相棒アシャフの所属する組織だ。
今回はアンデットを相手にするということで、同じ魔響教団にいる専門家であるファノーラを紹介しただけで主人公たちの出番は終わる。
死者をよみがえらせた後は、術を施した死霊魔術師によって命のもとを供給してもらわねばならない。
もしそれを受けられなければ、野良と呼ばれるアンデットになる。知性も意志も薄れ、ただ人を襲う存在に成り果てるのである。
ファノーラは、野良のアンデットが発生する事件を解決するために、地元の刑事二人と共に、墓地の中の大きな建物へと向かう。
ファノーラには、彼女が下僕と呼ぶ、ヨハンなる青年が付いている。
ファノーラが野良のアンデットを呼び寄せるランタンを灯すと、建物の周りを、アンデットに囲まれてしまう。
と、そこで今回の話は終わりである。
徐々に世界観が広がってゆき、魔術師にも専門分野があること、死霊魔術師は生者を生き返らせるのを一部では認められていること、などがストーリー展開と共に自然に明かされる。
アンデットとしてのよみがえりを禁止している地域もあるらしく、この世界における、アンデットの微妙な立場を思わせる。
今回は3つ目のエピソードの序盤ということで、あまり語れることもないのだが、全体的にこの物語は、小説で言うなら幻想文学のように、静かで奥行きのある雰囲気で進む。
その代わり、壮大さを感じるような世界観の広がりはない。まあ、今のところは、だが。そんな点も幻想文学らしさがある。
『進撃の巨人』は同じダークファンタジーでも、1巻からかなり世界観の広がりを感じさせる。壁の向こうには何があるのか? 主人公エレンたちだけでなく、読者にも想像させることで、壮大感、スケール感のある物語に、初めからなっていると思う。
ダークファンタジーもいろいろなのである。
さて、今回はここまで。
読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。