復讐の女神ネフィアル 第5作目 『愚かな商人』 第4話
奥へと進んでいくとやがて、外で見た青銅の見事な両開きの扉と同じ物が見えた。
奥から詠唱が聞こえる。リーシアンは言った。
「ここを去る前に聞いたのと同じだな。まさかずっと続けていたのか」
アルトゥールは答えた。
「あれからまた半日も経ってはいない。それくらいやれるさ」
「お前もか?」
「もちろん。何となれば三日くらいは不眠不休で出来る」
「へえ、そりゃすげえな。で、あの女は何のために?」
「言っただろう? あれは呪いのためだ」
「誰に対してなんだい?」
ヴィルマが当然の問いを発する。
「そうだな、もう少し聞き取れれば分かる。扉の向こうに行ければな、ここからでは無理だ」
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