復讐の女神ネフィアル 第5作目『愚かな商人』 第6話(最終話)
再び、ライアスからもらった護符から放たれる水流でキバリノ神官を撃つ。水流はみずみずしい青として空(くう)を流れる。
最深部に来るまでに、護符の力が再充填されていた。無制限に使えるのではないがかなり強力な護符、それも積極的な力を持つタリズマン系の物だ。
キバリノ神官が二体の魔族に《治癒》の神技を掛ける前に撃つ。先に撃つのは、魔族でなくキバリノ神官でなければならない。
キバリノ神官は自らが張った《防護》の後ろにいて、魔族の治癒をしようとはしない。
二体の魔族は金色に輝く体を持ち、頭部と首から下は太い蛇のようである。
アルトゥールは、おそらくはリーシアンたちも同じであろうが、二体を醜いとは思わなかった。
外見がどうであれ、撃たねばならぬ敵であるとも思っていた。
他の魔族はことさらに悪いとも危険とも思わない。だが、今この場にいる二体はそうなのだ。
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