薬の値段から見る薬局経営

私が服用している薬

今、私が毎日飲んでいる薬は8種類で14錠です。

ニコランジルは毎食1錠、他は全て朝飲む事になります。なので毎朝12錠のお薬を出勤前の時間のない中で一気飲みしています。

更に花粉シーズンに突入すると

ザイザル 1錠

が追加され毎日15錠(朝12錠)お薬を飲み続ける生活を送っております。

この薬代は一体いくらになるか調べてみました。

飲んでいる薬とその値段一覧をご覧ください。


キャプチャ


私の自己負担金額

値段にすると

1日あたり250.2円

月間 7,506円

年間 91,323円

となります。1日あたりだと大した金額では無いですが、年間にすると大きい金額ですね。これを月に1度処方してもらう形で頂いております。普通の会社員で3割負担とした場合、薬局で支払う金額は

月間 2,252円 30%負担

年間 27,397円 30%負担

となります。

私の場合は障害者医療補助を使いますので、住んでいる自治体は1回500円を支払いますので、(※自治体により補助が異なる)

月間 500円 6.7%負担

年間 6,000円 6.7%負担

月に1回処方してもらう計算ですと、このようになります。

薬代だけで皆さんの収めている健康保険料や税金を85,000円ほど私のために使って頂いている計算です。誠に感謝です。高福祉国家日本大好き!と実は弱者救済のある制度は若かりし頃、大嫌いな考え方でしたが、いざ自分が弱者になってみると本当にありがたく感じます。勝手なモノで完全に掌を返した思考になりました。

調剤薬局の経営について

ちなみに、患者さんへ販売する薬価は国が定めており自由な価格設定が出来ないのですが、実は製薬会社から薬卸へ、薬卸から医療機関や町の薬局へ販売する価格は自由に定めて良いんです。

患者への販売価格 100円とすると

薬局の仕入れ価格 70円(自由価格で仕入・指定価格で販売)

薬卸の仕入れ価格 60円(自由価格で仕入・自由価格で販売)

製薬会社の製造原価 20円(自由価格で販売)

たぶんこんな価格なのかな。と想像してみます。※あくまで私の想像の範囲での価格で想像値です。販管費は各セクターそれぞれ発生していますし会社によっても儲けの幅が違うと思いますが、私の小売業などで得てきた経験則からざっくり想定してみました。

こう見ると町の小さな調剤薬局、世の中に一杯ありますが(特に大病院の周囲にゴロゴロとありますね)経営は結構厳しいだろうなと思います。

薬剤師の人件費は普通の販売員の倍しますし、小さい店舗じゃ価格交渉力も卸の言われるがままだろうし。と想像できる。

仮に薬剤師3人働いている薬局だと

薬剤師さんの日割り給与(仮に2万円)×3人分=人件費6万円

先にあげた私の1回あたりの薬価、7,506円のうち30%が粗利とすると2,251円で薬剤師の人件費を回収しようとすると、私と同じ規模で薬を処方される患者が日当たり27人来ないと赤字。更に家賃や光熱費などの他販管費もここから更にかかる。実質日当たり40名程度のお客さんが来ないとペイしないのではないかと思います。

一方で、薬の種類はかなりの多品種。更に間違いは絶対的に起こせない商材ですので管理コストもかなりかかる。日々の在庫確認なんかも行っているだろうし本来生産性を全く生み出さないチェック機能がやたら多い世界だろうと勝手に想像します。

小さい個人経営みたいな調剤薬局が大きな病院の周囲に多数、同じ在庫を揃えて同じ商売をしている。資本力のある会社はシステム投資して管理工数を減らし仕入れ価格で優位な価格交渉力を発揮すれば利益を上げるのも難しくはないかもしれませんが、小さい所は経費削減余地が薄くて大変だろうなと想像します。

とは言え、一般の小売りと違うのは「販売価格が確定している」という点。一般的な小売の場合、資本力を持ち競争力の高い会社が販売価格へ転嫁しお客の総取りが可能なのに対し調剤薬局の世界は、購入価格の差別化が出来ない分、立地商売になりやすく立地さえよければ一定数の売上が確保出来てやっていける環境なのは一般小売と大きく異なる部分だ。

そのため産業として国に守られているのは間違いないけど、国として医療費が膨らみ続ける中で、もしかしたら遠くない将来、販売価格の自由化も起こり得るのかもしれないですね。そうなるとチェーン展開している薬局が処方薬も安売りを始めて大規模病院そばに構えていた個人薬局は値段が高い。と消費者から嫌厭され客足が離れて廃業。となるのかなと思います。


医療系はその昔、製薬会社の物流子会社のセンター内で作業を委託している会社に所属しており、暫くヘルプで出入りしていましたが、かれこれ20年ほど前の話。

まぁずぶの素人です。

薬局業界がどんな行く末かなんてのは、想像の中での話ですが、国として医療費削減は待ったなしの課題ですし、薬価が自由に価格設定できるというのは、資本主義の原則で言っても当たり前でしょうし、世界を見渡せば当然の国も一杯あるでしょうしね。と考えます。

ホント素人が想像でつらつらと書きつづってみただけですが、そんな考え方もあるんだな。位で受け取って頂けると幸いです。


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