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「103万円の壁」結局、家族全体の収支はどうなる?

扶養家族の範囲内にするめに、奥さんのパート収入は103万円以下に。。。
みたいな話をよく耳にします。

そして先日の一件で扶養家族である息子が年収103万円を超えて追徴課税を受けるという想定外の事案が突然身に降りかかってきました。

ここに出てくる「103万円」は「103万円の壁」と言われる重要なライン。
所得税の面でどういう意味なのかを「ボク(納税者)」「奥さん(配偶者)」「息子(扶養親族)」それぞれの立場から見てみました。

家族構成はわかりやすいように以下のように仮定します。
・ボク(納税者):52歳、会社員、給与収入800万円、
・奥さん(配偶者):49歳、パート勤務、
・息子(扶養親族):21歳、大学生、アルバイト


①納税者の立場

配偶者と扶養親族の年間給与所得が103万円以下であれば配偶者控除と扶養控除が使えます。
(a)配偶者控除
国税庁のHPに記載されている「控除対象配偶者となる人の範囲」でいちばん大事なのはここ
-------------------------
(3)年間の合計所得金額が48万円以下であること。(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
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ここで「103万円」が登場。

給与所得のみで103万円以下なら、「給与所得控除額(*1)」が55万円なので
48万円+所得控除55万円=103万円
よって103万円以下の給与所得であれば「配偶者控除(*2)」が適用可能。
一般の配偶者控除額は38万円

※48万円を超えても133万円以下なら「配偶者特別控除(*3)」が適用可能。
※納税者の合計所得額が1,000万円を超えると配偶者控除、配偶者特別控除ともに適用できなくなります。

(*1) 給与所得控除額は以下のとおり(国税庁のHPより)

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(2*) 配偶者控除額は以下のとおり(国税庁のHPより)

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(3*) 配偶者特別控除額は以下のとおり(国税庁のHPより)

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(b)扶養控除
国税庁のHPに記載されている「扶養親族に該当する人の範囲」でいちばん大事なのはここ
-------------------------------
(3)年間の合計所得金額が48万円以下であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

-------------------------------
配偶者控除のところと同じで、ここに103万円が登場。

給与所得のみで103万円以下なら、「給与所得控除額」が55万円なので
48万円+所得控除55万円=103万円
よって103万円以下の給与所得であれば「扶養控除(*4)」が適用可能
一般の扶養控除額は38万円

ここで注意なのは当該扶養親族が19歳以上23歳未満の場合は「特定扶養親族」の扱いとなり、なんと63万円の控除が受けられます。
扶養親族が大学生のうちは学費や仕送りにお金がかかるのでそこへの配慮でしょう。うちの場合はここにあたります。

扶養控除額は以下のとおり(国税庁のHPより)

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で、それらを勘案すると所得税はどうなるのか
{配偶者控除(38万円)+扶養控除(63万円)}×所得税率(20%)=202,000円
と、ボクの場合だと年間でだいたい20万円くらい所得税が安くなります
所得税率は所得によって異なりますので、詳細は前の記事を参照願います。

ここに加えて、ボクが勤めている会社だと、給与に扶養手当(約24万円/年)が支給されます。(扶養手当の支給条件は、税務上の配偶者や扶養にあたるかどうかに連動)

結論として、奥さん、息子とも年間収入が103万円以下だと40万円以上のプラス
ボクみたいな会社員なら、103万円の壁は大きな意味を持つと言えます。


②配偶者の立場

給与収入のみで103万円以下の場合だと、まず給与所得控除で55万円控除され、残った金額から所得控除の中の基礎控除で48万円控除されます。

で、課税所得金額(給与収入-給与所得控除55万円-基礎控除48万円)が0円になりますので所得税は0円です

給与所得が103万円を超えて、課税所得金額がいくらかでてくると、課税所得金額に応じた税率で所得税が課税されます。
例えば年間の給与収入が200万円だと、所得税率は5%になります。(詳細は前の記事参照


③扶養親族の立場

状況は配偶者と同じで、給与収入が103万円以下だと所得税は0円です


④結論

ボクの場合だと、家族の給与収入を103万円以下に抑えるメリットは大きい。
超えるのならそれなりに稼いで全体収入を上げないといけないけど、それはいくらから?
また、住民税とか社会保険料はどうなる?
そのへんは、また次回に。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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